月8万円もあれば

日本の老齢年金の受給額など詳細を私は知らないが、日本であれば月8万円もあれば暮らしていける。
日本の物価は安い。
海外から見たら天国の如し。

地方都市など、余程の僻地で無い限り交通網もあって便利だし、そんな古い建築でなくても家賃が2万円台からある。
スーパーなどをうまく利用すれば食費も安く、衣料は言うまでも無く。
医療費も余程の難病でも無い限り、妥当な医療費だと思うし、海外諸国では難病の対象外のものでも、日本では手厚く難病として扱っているのは本当に世界一素晴らしい。

米欧では若いうちから堂々と当たり前のような顔をして生活保護を受給しながら生きている連中が少なくない。
生まれてから死ぬまで満足に働いたことも無く、あんな一生は嫌だなと傍から見て思う。
思うが、その反面、例えばブラック企業などで死ぬ思いをしながら苦しみながら働いたり、過剰労働で心身を壊してしまう意味も分からなくなって来るのも確か。
働くのがバカらしくなって来ることさえある。

私のフランスでの事業の一つに、生活保護者へのアパルトマン賃貸というものがある。
これはブリジット・バルドーさんたちと、動物愛護協会とはまた別の財団なのだが、パリ郊外の物件を買い取ってはその物件を生活保護者向けに賃貸するという、殆ど儲けの無い(笑)ことをやっているのだが、まぁこれも一つの人助けだと思ってやっているだけで、今迄はケベックとパリの支援センターで働いて来たが、私も年齢的に、そして難病の進行で体力の限界を感じて引退、その後に今の事業を2年ほど前から始めた。

フランスの基本的な生活保護費は6万円から7万円ぐらい。
その中で家賃、食費、光熱費などの計算をアパルトマンを賃貸することで学んでもらうようにしている。
彼らにもし生活の乱れや家賃滞納があっても我々は屈せず、改善の余地が無ければ容赦なく追い出す。
追い出されたら彼らには路上生活しか無い。
我々のような財団はフランス国内には多く、そのためにマフィアが蔓延っての生活保護費の横領事件などを防ぐのも我々の仕事、というか監視である。
財団のメンバーは元教師、元医師、元刑事など警察関係者、元弁護士、元公証人なども多く、知恵の塊みたいなものだ。
そのまま現役の人たちもいる。
建築家や大工も高齢ではあるが殆ど現役なので、アパルトマンのメンテナンスなどもお手のものである。
もちろん我々の後継者たちもいるわけで、この事業は私たちの代が地球上から消えてもこのまま持続されるであろう。

パリ、フランス国内の低所得者専用アパルトマンも多く、国営などいろいろある。
我々は生活保護者が対象なので低所得者とはまた別ジャンル。
低所得者にしても生活保護者にしても給与明細や生活保護受給など必ず証明書の提示が必要だ。
食糧の援助を受ける時にも必ずその証明書が必要だ。
そうでなければ、実は悠々と生活しているにも拘わらず、「節約」と称して(苦笑)貧乏人を装って紛れ込もうとする輩もいるわけで、それを防ぐためである。

我々のやっていることは慈善事業でも何でも無いし、国から援助が貰えたりすることもゼロ。
免税なんて先ず以て有り得ず。
少しはそういう「ご褒美」があってもいいのにね(笑。
まぁでも我々にとっては、認められる、誉められる、などを目的にやっているわけでは無いから。


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