若年層、もしくは1人暮らしにこのくらいの広さは丁度いいと思う。
パリではこれよりもっと狭い物件も普通にあるからそこから見たら「贅沢」なほどである。
ただ私個人としてはコインランドリーがどうしても苦手なので洗濯機マストではあるが。
また、極狭物件とは別に普段の狭い暮らしから自分を開放できるような場所があれば尚いい。
実家でもいい、祖父母の家でもいい。
いま流行りのゆるキャン△でもいい。
別にゆるくない自分の車でキャンプしたり生活したり。
普通に旅行したり。
要はこの極狭住居以外に何かを持っていたら理想的だと思うのだ。
最近では空き家を安く買って自分の好きなように利用する記事も目にした。
日本は不動産税が先進国の平均で見ると安いので、賃貸ばかりではなく、売却物件にも比較的容易に目を向けることができるから羨ましい。
私の暮らすケベックシティなど税金と言えば何でも高いところだが、特に不動産税は異常に高く、物件は買うよりも賃貸の方が絶対に得。
平均的な年金額に合わせた年金生活者をメインとしたアパルトマンもあって、各人のライフスタイルに合わせて簡単に住み替えも可能だし、家賃の中に一番必要な電気代が含まれているところは尚更よい。お得である。
パリの物件は賃貸はこれまた異常に異常に高いので、買ってしまった方が絶対に得。
それこそパリ市内の極狭物件は大した額では無い。
折角買うのであれば一等地を狙う。
あのパリの一部を買うわけだから、巨大な芸術作品を買うわけだから、パリの一部を完全に自分のものにするわけだから、当然それなりの覚悟は必要だが、それにしても注意深く観察していると意外な物件がひょっこりと姿を現わすことがある。
これがパリの面白さ♪
私がパリ6区の物件を買ったのはまさに奇跡で、今ではもうあの当時の値では買えない。
今でこそパリ一等地のその更に一等地としてパリ市内では最高値の場所を買ったわけだが、ある日ボ~ッとネットで不動産を検索していて「なんだ?これ」という情報を見つけ、すぐさま長男に連絡すると「何をそんな夢みたいなことを。そんなわけ無いだろう」と呆れ果てられ、「それもそうだよな。こんなの釣り物件に決まってる」とさっさと諦め…
いやいや、私のことだ、諦めるはずがない。
変だな、何だろう、おかしいな、と気になり始めるともう気になって気になって堪らなくなる。
ちゃんとした不動産会社が勧めている物件なのだ、詐欺や釣りでは無いだろうと。
自分がパリまで飛ぶわけにも行かず、ぶうぶう文句を言う長男に頼み込んでなんとかその物件を見に行ってもらった。
で、その物件は夢でも釣りでも詐欺でもなく、ちゃんとした物件だと分かった長男は引っ繰り返るほど驚き、「よくこんな物件見つけたよね」と。
他にも購入希望者が何人かいて、最初は駄目かなぁとちょっと諦めたが、所詮個人的にはカネを持っていない西洋人相手である、恐いものナシだ笑。
西洋人の大半が(もちろん例外あり)口先だけが圧倒的に多く、貯金なんて殆どしていない。
今まではちゃんとした年金制度があったからこそ、そんなお気楽生活も可能だったのであろうが、今となっては、いやこれから先も年金なんて世界どの国でも当てにできないから、今までのような成り行き任せのお気楽人生はあまり望めなくなるだろうなぁ、西洋人たちも。
まぁ西洋人はどうでもよく、一度自分で現金で価値のある物件を手に入れてしまえば、あとはもう心身ともに悠々と。
物欲が信じられないほど少なくなり、まさに「起きて半畳寝て一畳、天下取っても二合半」を日常の標語として暮らせるようになる。
今までの日常標語「果報は寝て待て」も相変わらずそのままだが、あらたにこの新標語が私の人生に加えられた。
元々あまり見栄を張るのは好きじゃない方だが、更に輪を掛けて見栄を張らなくなるので、周りからは「いつも同じ格好をしている」とたぶん思われているだろうと。
そこは人々の目の錯覚を利用して、マフラーや帽子、アクセサリーや手元、足元などで誤魔化しているが、それはそれで結構頭を使うのでわりと楽しい笑。
パリ6区に物件を所有していると言うとよく富裕層と勘違いされることもあるのだが、私の生活ぶりはツイッターやブログなどにも書いているとおり、富裕層どころか一時はどん底まで落ちた、そして今やっと這い上がって来て生きている、ごくごく普通の中流層である。
どうぞ誤解の無いように。