「ケベック訛り」という表現は、日本人の中でも、フランス語の熟知レベルが低い場合によく使われているようだが、「訛り」という表現は実は正しくないのである。
ケベック州内に長く在住されている日本の方々は、この熟知云々の対象外ですので、どうか誤解のないようお願いします。
1600年代、いや実際は1500年代からフランス人たちがここケベックに少しずつ根を降ろし始めていたのだが、その当時のフランス語が、その「ケベック訛り」と呼ばれている言語なのである。
そうなると、当時のフランス王族たちもみ~んな訛っていた、ということになってしまうわけで笑
現在のフランス本国の人たちはケベック人のフランス語を「古いフランス語」と呼んでいる。
それが正しい表現である。
「ケベックのフランス語」も同様。
更にはフランスではケベックを「新しいフランス」と呼んでいる。
出処は一緒なので、フランス人とケベック人は一見仲が悪そうに見えるが、遠方に住んでいて殆ど会ったこともない身内同士が、それもお互いかなり内気な身内同士が、いつまでもお互いにそっぽを向いているような、そんな間柄なのだ。
どんなに仲が悪くてもお互いに同じ血が流れていることをちゃんと分かり合ってのことなのである。
その輪に入って来れないのは本当のフランス系ではない、ということである。
だから、フランス人と名乗る者が、「ケベック訛り」と呼んでバカにするようなのは本当のフランス系ではないと見て間違いない。
家系を辿って行くと必ずフランス以外の国が出て来るはず。
同じ欧州だったらまだしも、中にはアフリカだの中近東とかね。
まったく別な国が出て来るはず、間違いなく。
純粋なフランス系同士でのそういう下卑たやり取りは殆ど無い。
もしあったとしても、よほど階級的に低い者でない限り有り得ない。