除雪屋デニス

恒例の除雪屋が今冬初めて我が家にお目見えした。
お目見えって、ただ小さな除雪車がガガーッと家の前を通り過ぎるだけですけど。
11月1日〜4月末日までの契約でうちの場合は約4万円也。
この契約費は、その家の土地の広さにもよりけりである。
ここに住み始めてからずっとこのデニスに頼んでいるので、かれこれ我が家とは15年近いお付き合いである。
デニスは最初、フランス語の達者でなかった私と無理して英語を使っていた。
デニスの英語は片言だ。電話で「除雪屋」という表現がお互いに通じず、デニスが苦し紛れに「アイ・アム・スノーマン」と言ったことは今でも笑い話になっている。それ以来、雪だるまが除雪車に乗ってやって来るイメージが定着してしまった。でもそれでも一生懸命になって英語を話そうとしてくれたデニスは親切である。私がフランス語が話せないと知るや否や「ここはケベックですよ!」と怒り出す人もいたから。
ケベックに来たばかりの頃、仕事を探しに歩き回っている時に、政府勤務の人から「フランス語が話せなければケベックで仕事することなんか絶対に不可能だ!言語道断である!」と厳しい口調で言われたのは今でも忘れない。まあ、確かにそうだけど、でも英語が話せれば何とかなるものだ。だって、ここはカナダだもの。公用語は英語とフランス語だ。「ケベックではフランス語が話せないと・・・・」なんて言っている見聞の狭いケベック人には、「ここはカナダ。英仏両語が認められるんだゼイ」とフランス語で意見してやる時の気持ちは実に痛快である。それもこれも長年に渡る苦労のお陰である。