うんざりマダム

今日はすっかり疲れ果ててしまった。

夕食後にペタンク友達と集まってプランソワールのところで輪になって楽しくお喋りしてたらいきなり89歳のマダムが乱入して来た。

しかも硝子テーブル上に自分の杖の下の部分を乗せたからビックリ。

みんなの水ボトルやコーヒーが置いてあるところにですよ。

 

さて、それからが大変。

もうずーーーーっと自分の話ばかりし始めたのだ。

みんなウンザリしてそれぞれプチグループに別れて話し出すと「私の話がつまらなくて御免なさい。みんなにいつもこうして迷惑ばかり掛けてしまって」とちゃんと回りの状況が分かっているし、目も耳も正常。

だからこそ、たちが悪い。

 

こういう時のケベック人というのは無駄に親切だからみんなでそのマダムの話を聞いてあげてる。

決して悪そうな人じゃないし、上品で身なりもちゃんとしている。

それは分かるんだけど、とにかく話が長い。

延々と延々と続くのだ。

 

此処ケベックにはああいう話が止まらない高齢者が時々いるんだけど、結局は死ぬまでああして喋り続けるのだ。

身近なところでは夫の姉も同様で、昏睡状態に入る直前まで「私の叔父がそのサンドイッチが美味しいと言って…私の弟が坂道から下りて来て…」とまるで関連性の無い話を延々と続けるのが特徴。

昏睡状態に入り掛けて目が時々白目になりながらも話し続けていた姿が忘れられない。

 

で、その89歳マダム、少しでも余所見をしたりするとその「御免なさい…」が始まるわけですよ。

目が速い。若者でもついて行けないくらいの速さだ。

それも彼らの特徴ね。

 

「確か今夜は雷の予報があったね。我々のペタンクボールに落雷でもしたら大変だから」と友達が話を切ってくれて晴れてお開きに。

雷の予報なんてもちろん無いけどね笑 

 

どんなにボケてもあんなマダムみたいにはなりたくない。

絶対にイヤだ。

そうならないように祈るばかりである。

 

さてさて今夜も寝苦しい夜になりそうです。

彼は輪の中で眠っていた。

夏休み返上で週末も病院へ忙しく通っている。

遠出の出来ない私にこうして付き合ってくれている。

「御免なさい、迷惑ばかり掛けてしまって」ですよ、この私こそが。

 

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