若干一名との熱愛

私の難病は、まだまだ地球上ではめずらしいそうで、予防接種ひとつ受けるのにも、大丈夫か否か、数人の医師たちが腕組みしたり、頭を抱えたりしながら、「う~む」とみんなして考え込んでしまうのが常です。

たとえ医師が遠方にいても、今の時代はメッセンジャーというのがあるから、姿がはっきり見えるために、その「う~む」の様子が確認できるわけです。

たかがインフルエンザの予防接種さえも、未だにOKがもらえない。

「前例が世界のデータの中では皆無だし、めぐみを実験台に使うわけにはいかない」と、医師たちは口々に言う。

そんな風に思ってもらえて有難いし嬉しいけれど、先に進めないもどかしさもあって複雑な心境です。

もうほぼ60年生きたので、たとえ実験台になってそのまま死んだとしても、別に構わないのだが、その旨を伝えると気が狂ったように私を抱きしめる医師が若干一名いるので、あまり下手なことも言えない。

若干一名というのは、結婚を約束している、いわゆるフィアンセなので、その切なさは尚更なのでしょう。

もちろん彼のために少しでも生き延びたいとは思っているが、この世の医療進歩のために自分の命を捧げても一向に構わないと思っている私もいます。

若干一名から受ける熱愛をいつまでも大切に、そして少しでも生きることが私に与えられた使命なのだと、とにかく信じてみることにします。

 

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