今年一番の思い出

フランスからカナダに帰国して間もなく救急車で救急病棟に運び込まれ、その日のうちに腸の内視鏡検査へ。生まれて初めての検査。ベッドに寝かされたままの順番待ち。「イヤ!絶対にイヤ!」と検査を拒否し続け、どんどん後に並んでいた患者たちが先を行く。そしてとうとうその日の最後の患者となった。

 

「強制的に連れて来て下さい」と医師が言っているからと数人の看護師たちが出て来て取り囲まれてあっという間に検査室へ。「僕たちは研修生です」と若い医師たちがズラリと並んでいる。こんなところでお尻を出すのかと思ったら恥ずかしさのあまりスス~ッと気が遠くなった。

 

半泣き状態でいると何処からともなく「ボンジュール」と優しい声が。ふと目の前の大きな画面に腸内らしき映像が。いつの間に内視鏡が挿入されているではないか。さっきのボンジュールが担当医だったのだ。オ、オッサンではない。しかも…カッコイイ…信じられない。


オッサン医師ばかり見慣れて来た私はすっかり大人しくなった。自分の腸内などとても恐くて見られないと思っていたのに、その担当医とお喋りしながら悠々と腸内を眺めているじゃないか、自分よ。研修医たちなど目にも入らず、お尻もちゃんと見えないようになっている。


「あの最初の検査を時々思い出すと笑いが止まらなくなるよ」と現在のボンジュール。あれから9ヶ月。なにしろ難病なので治療には長い時間が掛かるのは仕方のないこと。ケベック州では完治するが、日本では完治がまだ見込めない難病である。

  

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