昔と今 地図と感覚

昔は、地図といっても、かなり細かいものはなかなか手に入らず、ロードマップが一番詳しかったぐらいか。
国内でその程度だ、海外のものはもっと大雑把なものばかりで、地名なども、その場所に行って初めて知りましたみたいな名前も多く、またそれはそれで楽しくもあったわけだが、インターネットが出現してからは、とんでもない小さな路地まで見れてしまうから、ほんと世の中便利になったものである。
当時使っていたミシュランも、ぼろぼろになっては買い換え、いろんな友人たちの書き込みもあったのだが、いつの間にかどこへやら失くしてしまった。


連日、フランスの友人たちと南仏について話しているのだが、不動産関係の話題には当然地名は出て来るわけで、それも最初は、殆ど分からないものばかり。友人たちも、その度に「グラースから南下して・・・」とか「サントロペからもっと東へ・・・」とか大まかな地名を軸にして話してくれるのだが、これではいつまでたっても覚えられないからと、いちいち地図で地名を調べることにした。途中で挫折しそうになるのだが、地名だけではなく、通りの名前も覚えようとすれば結構覚えられることを知って、だんだん楽しくなって来た。人間、好きなものは覚えられるんですね。時には、友人たちの知らないところまでこっちが知っていたりすると、本気で嬉しくなったりして、いつまでたっても子供みたいな私である。


南仏全体を見る時に、今のところニース国際空港を中心に見て行くのだが、これまたカナダの感覚で、地図上パッと見た感じで距離を勘違いしていたことに気付いた。いいなと思う物件の殆どが、空港からかなり距離があると思い込んでいた。「う〜ん、この距離じゃぁ50kmぐらいかなぁ」とある日友人と話しながらふと呟くと、「いや、そんなにないよ。ああ、そうかカナダの感覚で地図を見ているんでしょう。下の目安kmを見てごらん」と言われてふと左下を見ると、50kmと思い込んでいたところが、たったの9kmと判明。「あららら」と拍子抜けしてしまった。じゃぁ何?今まで見ていた物件って、殆どが空港からそんな距離ではないということか。確かに以前、車で走った時に、カンヌ、ニース、モナコと呆気なく走り抜け、もうちょっと行くとイタリアだよと友人から言われて戻って来た記憶がある。日本に住んでいた時でさえそうだったのだから、カナダ感覚の長い今となっては、渋滞でもしない限り、移動にはあまり頭を悩ませなくてもいいかなと思っている。
仕事や買物でうちからモントリオールまで往復すると、簡単に700㎞ほどになってしまう。フランスの距離を、カナダに置き換えてみると、かなりの距離でさえ「なぁんだ、うちからプリンスエドワード島よりも近いのか*1」などと言いながら、夢は更に広がって行くのである。


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*1:約900㎞