go-ha-n

うちでは大概、米を仕掛ける時は6合だ。翌日のお弁当や昼食の分もすべて一緒に作ってしまう。使うのは炊飯器。
そのため、炊き込みご飯を作る際、全部炊き合わせると、そうでなくても米の量が多いので、具沢山にすると炊いているうちから、ぶくぶくと溢れ出てしまうこともある。それならば、混ぜるものを他の鍋で煮て、最後に白いご飯と合わせる方法に切り替えることもある。しかし、貝などを使う時は、炊いているうちから貝の旨味がご飯に浸み込んでほしいってことで、全部混ぜ合わせて炊き込む方を選ぶ。
今回もやっぱり内釜いっぱいの状態になってしまい、やむなく鍋で炊いてみようということになった。
実は、鍋でご飯を炊くのは初めて。いや、一度だけある。
20歳の時、まだ結婚したばかりの頃、炊飯器が無くて、生まれて初めて鍋でご飯を炊いてみたら、とんでもない結果になり、それ以来、決して鍋でご飯を炊くことだけは避けて生きて来た。どこに行くにも、必ず炊飯器と一緒に暮らして来た(炊飯器と同棲しているように聞こえるね)。ケベックに引っ越して来たばかりの頃は、到着早々、往復7時間近く掛けてモントリオールの中華街まで炊飯器を買いに行った。当時、ケベックでは炊飯器など売っている店は皆無だったのだ。今でこそ、どこにでも売ってるけどね。母がよく「鍋で炊くと美味しいよ」と言っていたが、それには大した興味も示さずに来た。
内釜の中身を鍋に移した。おお、余裕の量だ。溢れそうなんかじゃない。炊き合わせの具は、帆立、あさり、にんじん、ヒジキ。奮発して、大きな帆立を入れたのがアダになったわけだが。ケベックの帆立ってのは、要するに貝柱オンリーなのよ。あの回りのいろいろは、全部こそげ落とされて売ってるの。バカみたいでしょ?だから、極小貝柱なんかを使うと人生イヤになるのよ。
さて、ここで炊き方が分かんねえ〜のである、この40代のオバサンは。よく「始めチョロチョロ、中パッパ」とか言うでしょ?でも、その意味が分からない。確か20歳の時には、この言葉を自分なりに判断して、最初は弱火かなんかにしたような記憶がある。頭の中をこの「始めチョロチョロ…」が呪文のように繰り返される。それがどういうわけか、その声は黒柳徹子さんなんである。
鍋に火を掛けたまま、慌てていつもの料理お助けHPへゴー!ってわけなんだけど、最近私のPCはダウン気味で、急に動かなくなった。
そこで、今度は娘のPCに飛び付く。そっちもメモリーいっぱいだとかって言って、動きがすごくのろい。それでもやっと日本語変換にして「ご飯の炊き方」と入力する。すると、どういうわけか、漢字変換にならない。ふと見ると鍋が何となくグツグツ言い出した。焦るじゃないか。
仕方ないから「ごはんのたきかた」とひらがなのまま、いつものお助けページへ。しかし、そのページは、ひらがなではまともに請合ってくれない。次にググってみた。ひらがなのまま。
すると、小学生対象のページばかりがダダッと出て来た。一つ一つ読んでみると、「お米をといだらお母さんにあとはやってもらいましょう」とか「ここですいはんきのとうじょうです」なんてことしか書いてない。
傍らでは鍋が沸騰している。一度火を止めた。
次の検索ページは、な、なんだよ、英語だぜ。ちっ!めんどくせ〜ってことで、次のページに移ろうとした時、その英語の下の方に、なんだか日本語が見えたような気がした。なになに?
おや、気のせいじゃなくてほんとに日本語だ。
http://sensei.jpf-sydney.org/nov04/sensei_nov04.htm
シドニー?オーストラリアの日本語教室ページのようだ。
「ごはんのたきかた」がなんとイラスト入りで、とっても簡単に書いてあった。あまりの簡単さに一抹の不安はあったが、時間も無いのでその辺で妥協することにした。
ところが、である。
すごく美味しくご飯が炊けたんであるよ。
当然、このページはブックマークして大切に保存。
Sensei's Pages様、助けられました。ありがとうございました☆
★可愛い「おむすびころりん」も載っています。
この「いいおじいさん」が、もし大きな箱を選んだら中身は何だったのかな・・・美味しく炊けたご飯で腹いっぱいになった私は、そんなことをボンヤリと考えたのであった。