悲惨な決め事

娘の友人ステファニーとヴィッキーの2人とも、それぞれ父親の所に出掛けて行った。
両親はとっくの昔に離婚している。滞在は1週間ほどらしい。
これは離婚調停の際の大事な条件として法的決定事でもある。
もし、親のどちらかがこの決め事を破った場合、最悪の場合は警察から逮捕されることもあり得る。
子供たちは、普段は母親と一緒、週末は父親と、というパターンを繰り返しながら成長していくわけだが、長い休みには父親と過ごすというのをよく耳にする。
では母親はどうなるのか?せいせいと過ごす?
まさか!
今度は一緒に暮らす男の前妻との間の子供がやって来るわけで、その子らの面倒を看なければならない。
自分の娘と一緒にいられない。冬休みを一緒に過ごせない。
それどころか相方の子供らの面倒を看なければならない。
洗濯してやったり、食事を作って食べさせたり・・・。
自分や元夫の不倫が原因になっている場合も多いだろう。
つまり自分の家庭を滅茶苦茶にした張本人に、自分の子供を預けるというケースも充分あり得る。
なんだか頭の中がこんがらかってしまうではないか。それよりも何よりも、自分の子供に何かされないだろうかという不安だってあるだろう。もし、受け入れる方に理性が欠けていて、預かる子供を「うざい」と感じたりすることはないのだろうか?その気持ちが何かの形となって表れたりしたら・・・
これではまるで、子供は家畜並みではないか。
親の権利だけで決まるこんな法律、どこかが狂っている。
なぜなら子供ばかりが恐ろしい犠牲となるのだ。
「子供のための法律」と言われているが、どこが「子供のため」なのか?


ステファニーもヴィッキーも共に、父親の相方女性も、母親と一緒の義理の父親も大嫌いだと娘に告白しているそうだ。子供同士では本心を話すのだろう。
義理の父親からあまり可愛がられていないという日常から彼女らは完全に逃げることが出来ない。
自分の子供でもないのに心から愛しなさいというのは、確かに無理があるだろう。
例えば私が同じ立場になったら、そもそも子供大嫌いの私など根を上げてしまうだろう。
なんと残酷なことなのだろう。
仕方がないといってしまえばそれまでだが・・・。


日本では離婚の際、もちろん親権をめぐっての裁判が必要な場合もあるだろうが、ここまで子供を無残に扱うだろうか?
親の間の行ったり来たりはとても子供を傷付けると私は思う。
私の3人の子供らは其々父親が違う。
当然、困難なことも山ほどあったが、決して3人とも手放さずに育てて来た。
つまり行ったり来たりの可哀想な思いをさせないよう工夫したのだ。
もっとも亡くなっている場合などは行ったり来たりも不可能だけど。
いつどんな時にも、私と子供たちを助け、理解し、そして庇ってくれたのは私の両親だ。
これからは私と子供たちで彼らに恩返しをしていく番だ。