のんびりと観賞してほしい 

今日の観光はチャートだったので、わりと自由がきくため早速湖水地方のドライブに切り替えた。
途中の村で小さなマルシェをみつけた。
ケベックの伝統的な手工芸品が大半を占めていた。
お客さんはそのコーナーで動かなくなってしまった。
私にとっては涙が出るほど懐かしいものばかりだった。
かつて義母が作っていたものばかりだったからだ。
布製の皿洗い棒、織機で作ったベッドカバーやマット、焼きたてのパンを包む保温カバー(もちろんパン焼きかまどで焼いたもの)、洗濯ばさみ入れ、ニットの室内履き等等・・・
この洗濯ばさみ入れというのは、女の子の服が小さくなってしまったら、服の内側を袋状にしてその服の可愛らしさをそのまま残すというもの、小物入れにしてもいいが、これが洗濯物干し場にポツンと下がっているととても可愛いし、娘が幼い頃をいつでも思い出せるからとよく義母は言っていた。
ケベックの家では必ず家の中に入る際に靴を脱ぐ習慣がある。
そのため丈夫なまるで靴のような室内履きを毛糸で頑丈に編む。
昨日紅葉ピークの話を書いたが、ピークばかり追いかけるのではなくケベックの秋全体を楽しむつもりで来てほしい。
よくお客さんたちから「これで何割がたの紅葉ですか?」とよく訊かれるのだが、私が一番がっかりする質問である。
まるでテストで点数が付けられるような感覚である。
まるで「この紅葉は何点ですか?」と訊かれているようなものだ。
桜にしても開花前線を気にするお国柄である。
その感覚は、ケベックでは通用しないと思ってほしい。
この感覚は日本の教育現場にも通ずるような気がする。
どうしてこうも枠決めしたがる国民性なのか。
日本の社会全体に通ずる大きな問題だと思う。