先日散歩していて、昔はよく通った、嘗ての会社の社宅周辺を見ながらいろいろと今まで忘れていたことを思い出した。
会社が社宅を引き上げる時に、それまで使っていた家具の一部を引き取りに行った際に、本棚に分厚いファイルノートが一冊残っていて、何だろうと中を開いてみると、当時、私よりもキャリアの少ない男性がオフィスから派遣されていて、よく私たちの仕事中に何度か大型バスに同乗して、その時に纏められた、我々職員たちの勤務態度が事細かにレポートされた内容だった。
こんなノートがあったとは知らなかったと、それを家に持ち帰ってつぶさにに読んでみた。
このファイルノートは会社に返すことなく、何かの証拠として利用できるよう、没収することにしたが、そんなこともすっかり忘れていて、今では湖の家の本棚に眠っている。
いつの間にこんなことが会社にレポートされていたのかと、改めて驚いてしまった。
約20人ほどの職員について書かれているのだが、全体的に辛口で長所など殆ど書かれていないのには呆れるばかり。
で、気になる自分のところを読んでみると、「接客態度、歴史の説明など、長年のキャリアに相当するもので、声も大きくはっきりと話されていました。バス、レストラン、ホテルなどのスタッフたちともとても友好的で会話はすべてフランス語。国際結婚されているとのことで会話には全く問題ナシ。ただやるだけの仕事をやってしまうとなんだかキョロキョロと落ち着きが無く、仕事に専念している時以外は何かに気を取られているような態度が気になりました」と。
このレポート作成した男性は確か大型バスに同乗したのが3度ほどだったと思うが、よくぞそんな短い期間に「キョロキョロと落ち着きなく」なんて書いてくれたものだよ。
没収品は今でも所持しているのでいつでも問い詰めることは可能、なぁんてね笑
この話を子供たちに話すとすっかり大人になった彼らは「今もそうだよ」と。
60歳の今でもそうなのか。自分ではすっかりと歳相応の落ち着きのある生活態度のつもりでいたが。
そう私が言うと、子供たちが爆笑しながら「まさかぁ」だってさ。
「ま、その元気で病気を吹き飛ばして長生きして下さいよ」と子供たち。
励まされているんだかバカにされているんだかよく分からないのである。
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