ボロボロ

パリの息子曰く、先日、パリ市内のあるホテルで会議があった時、朝食として出て来たパンが、「咄嗟にあのシャトーのパンを思い出してしまった」らしい。あまりの美味しさで思い出したのだったらいいが、まったくその反対である。
シャトーとは、ケベックシティのランドマークでもあるシャトー・フロントナックホテルのことだ。
そのSS階(地階)にあるビストロで売られているサンドイッチのパンが、これまた酷いシロモノなのだ。
クラブサンドイッチなど、中に挟んである具は美味しいのに、パンがもう最悪で、食べているうちからボロボロと崩れてくるのだ。その崩れ方が尋常ではなく、最後に手に残るのは、具だけだったりする信じられない展開に、怒りよりも悲しくなって来るのだ。
数回食べた結果と、複数人の証言?で、これは動かぬ事実である。何度か苦情を出したが、一向に改善されることはないらしい。営業時間中に、いきなり20〜30分ほど平気で店を閉めたり、年間通算して約4ヶ月ほどしか営業しないという摩訶不思議な店なので、パンが崩れるなど言ってみたところで、馬に念仏であろう。あの紅葉シーズンで賑わう時期でさえ、「決まりですから」と繁盛時間帯にも平気で閉店してしまう。これも苦情を言ってみたが、「ケベックの観光が成り立っているのは、なにも日本人によるものじゃないですから。我々にとって、欧米の観光客が一番大事ですから」とシャトーのマネージャーからはっきり言われたことが何度かあった。同じような言葉を、ケベックの観光局からも言われたことがあるし、彼らがこう公言しているのも確かだ。州の観光局ページから日本語が取り払われてしまったのもその表れだと言われている。この諸々に文句を言うのを私はもうだいぶ前から止めてしまった。無駄な努力はしたくないし、じゃぁ自分たちで好き勝手にやればいいだろう、という投げ遣りな気分でもあるわけで。
ケベックは、折角いいものを山のように持っているのに、それを活用させるのがとても下手なところだ。まあ、それはそれで、ある意味ケベックの良さでもあるのだが、美味しいパンがたくさんあるのに、なにもあんなケベックの玄関口に相当するような場所に、わざわざあそこまで酷い失敗作を置かなくてもいいではないか。
開拓当時から作られて来たパンなど、それこそ絶品なのに、である。
さて、そしてフランスであるが・・・
今までにフランスで不味いパンを食べたことがない私たち親子は、その7区のボロボロパンにショックを受けた。
ハムやチーズのごく普通のサンドイッチだって、あれだけ美味しい美食の国フランスだ。
お願いだから、パンの定評を下げるようなことがありませんようにと祈るばかりである。



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