甘えん坊

長女イザベルは私の3人目の子供、一番の末っ子なのでいつまでも甘えん坊さんだ。
私もいつまでも赤ちゃん扱いをするので当然なのだが。
娘はよく私の寝室で遊んでいる。床いっぱいに人形だの、人形の家だのが散らばっている。
うっかりベッドに座ると、お尻の下からいろんなものが出て来る。
指輪だの、髪飾りだの、ブレスレットだの・・・。
私が仕事で忙しい時期は、よく私のベッドに娘の眠った跡があった。
「ママンの匂いがするから」
そんな時、例えようも無く娘が不憫になる。
特に私が夜に仕事で空港へ出掛けるのをとても娘は嫌がる。
シャワーの後にメイクしていると、必ず娘は私のベッドの上でじっとこちらを見ている。
「イザベルもママンと一緒に行く」
「ノン、ダメよ、仕事だから」
諦めて私の脱ぎ捨てた服に包まっている姿を振り切るようにして仕事に出掛ける。


今回パリで、娘はギヨームにカットしてもらう予定なのだが、時々思い出しては「イヤだ」を繰り返す。
髪を短くしたくないそうだ。相手がギヨームだろうが、いつもの床屋だろうが、イザベルには関係ない。
ギヨームがハサミを持ったらイザベルは「アタシ、逃げるから、absolument(絶対に)」と宣言。
ギヨームとイザベルとの初対面、どんなことになるのやら。