子供の声

よく母が言っていたのだが、「ただいま」という子供たちの声を聞いただけで、その日一日、子供にとってどんなだったかが手に取るように分かるものだ、と。今思い返してみても、どんなに元気よく振舞っても、「何かあった?」と、いつもバレバレだったのは確か。
そして、自分が親になってみて、やっぱり母と同様なのに気付く。
うちの子供たちは、家に一歩入ると、私とは日本語を使うので、ちゃんと日本人のように「行って来ます」「ただいま」と言う。小さい頃はよく間違ってたけどね。出掛ける時に、自分で「行ってらっしゃい」なんて言ったりとかね。子供が帰って来た時に「お帰り」なんて彼らが間違えると、こっちまでその誤りにつられて「ただいま」なんて応えたりして、訳が分からなくなっていた。
「ただいま」だけじゃなく、例えばParisに住む息子と話していても、もう第一声でその日のことが分かってしまう、そんなことがよくある。
はずんだ声、沈んだ声とは言うけれど、またそれとはちょっと違う感覚なのだ。たぶんあれは、耳で聞くものではなく、心で聞くから分かるんだろうね。これも、親子ならではの絆なんだろうか。自分の子供というのは、実に不思議なものだ。



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