マナーの悪さ

日本人のマナーの良さは、海外でも好評だ。この点に関しては、私も大いに肯ける。
しかし、ひとたび同胞同士となるとどうだろうか?以下は、ほんの少数例ではあるが。
日本での便利な生活を、そのまま海外に持って来るのはとても難しい。
海外に出れば、たかが数日間の旅行でも、荷物がどこかに飛ばされたり、食事が口に不味かったり、意思の疎通が不可能だったり、金品を盗まれたり、予定通りに飛行機が飛ばなかったりと、そうそう思い通りに事は運ばない。まあ、地球サイズで行動すれば当然のことなのだが、その辺がよく分かっていない人だと、そういうトラブルに直面した際に、「よくこんな不便なところに住んでるな、アンタ」とか「こんなこと、日本では絶対に有り得ない!」とか、支離滅裂で、しかも海外居住者に対して失礼な発言などが、容赦なくブンブンと飛んで来ることがある。スパッと言われてもそりゃぁ痛いけど、なかなかスパッとは言わないけど、ずっとジクジク嫌味を言われ続けるのもこれまたストレスの糧となる。
中には、怒り出すと、まるで小さな子供みたいに何も喋らなくなる人というのにもごく稀に遭遇することがある。何か話し掛けても「いいです!結構です!」を繰り返し、会話が途絶えてしまうので、これはこれでまたお手上げなのである。(一般に日本人は、欧米人の前では小さくなっている人が多いから)他に八つ当たりする人もいないので、たまたま目の前にいる(母国語が難なく通じる)同胞に当たるのは分からないでもないが、金を払っているから何をやってもいい、何を言ってもいいと思ったら大間違いだ。海外に出れば、サービス内容や接客態度も、日本国内にいるのとは若干変わって来るだろう。その辺を理解して頂けると助かります。
文化財に落書きするのも困るが、教会入り口に大きく書いてある「NO FLASH」が理解出来ずに、どんどんフラッシュいっぱいに写真を撮ったり、大きな声で「なにこれぇ〜〜信じらんな〜〜い」と騒いでみたりというのも、見ていて本当に恥ずかしい。
ケベック州では許可されていない種類の酒を飲みたいと暴れた人も嘗ていた。無い袖は振れない。あれ以上暴れたら警察を呼ぶ他無いだろう。
何でも人任せというのも、大きな赤ん坊のように見える。忘れ物、盗難など、くれぐれもご注意を!自分の責任でもあるということを忘れないでほしい。
「サービス内容」の意味が、日本と海外とでは大きく違うような気がするがどうだろう?と言って、日本に行って、格別にサービス精神に燃えているなんて人もあまり見掛けなかったけどね。つまり、日本国内と海外での、各人の持つ感覚みたいなものが、国外に出た途端に突然変換されるような、そんな人には、海外旅行は難儀なものなのであろう。
観光中のどさくさに紛れて、お尻にサッと触る人もいる。同じ人が何回も同じ行為をするわけで、私の意識過剰では無かろう。最後にニコニコ笑顔で「ありがとうございました」と言われても、「何に〈ありがとう〉?お尻にかい?」と問い質したくもなるよ。
困ったものだ。