本の日々

パリの万華鏡―多彩な街の履歴書

パリの万華鏡―多彩な街の履歴書

今必死になって読んでいるのがこれ。
忙しい時にさっと斜め読みしてそのままになっていたのだ。
パリに行くことが決まってから、地図と首っ引きで読んでいる。


装いせよ、わが魂よ (1982年)

装いせよ、わが魂よ (1982年)

この本を読むとフランスに行きたくなるのは私だけか。
こんなにストイックなフランス滞在記は珍しいのでは?
おしゃれなパリ、だの、パリジェンヌが云々だの、花の都がどうのこうのといった、ただの憧れでチャラチャラと書かれたものではないのが好ましい。
特にノルマンディーへの旅の部分は、私とは正反対(?)の描写。でもそこに惹かれた。
それにしても1人の男を複数の女が追い掛け回すというのは、決して私のシナリオには無い展開だ。
そういえば・・・
以前画廊に勤めていた時に、修道女を辞めて結婚した女性画家(ケベック人)がいて、いつも彼女の絵の中には、1人の男性を真ん中に両側から2人の女性が寄り添う構図が圧倒的に多く描かれていて、一度その理由を彼女に直接訊いたところ「1人のステキな男性をたくさんの女性が愛すること、これはキリストへの愛にも繋がるでしょう?私にとっての理想の愛の姿なの」と言われ、途端に吐き気がした記憶がある。そう、私にとっては吐き気を催すシチュエーションなのだよ、それって。この元修道女とは、全ての面で合わなかったし、合わなくて良かったと今でも思う。こういう考えの人って実は物凄く意地悪女が多いように感じる。彼女もよくぞこれで修道女なんかやっていたよなあと思われるほど、まるで悪魔のような凄まじい面を持っていた人であった。
増してやこの小説の中にあるような、女たちだけが取り残されてただひたすら祈り続けるなんて、全部の歯を無理やり抜き取られたような感覚である。そもそも私には、女たちだけで群れるというのが信じられない世界なのである。


土地の力

土地の力

これなんかもっとストイックだ。
こうして修道者になって行くのかな、たぶん。
著者についてはあまり詳しくないのだが、私の母よりも一つ年上と知ってちょっと驚いた。
パリの街を歩く時の視点に共鳴して彼女の作品を読み始めたのが最初。
フランスでの日々は、いつも私にとって深いところまで自分を落として行けるのがいい。