姥捨て山?

時々観光中に、どうしてこんな遠いケベックまで来たんだろうと思わせられるような、徘徊癖がひどかったり、もうはっきり認知症と分かるお年寄りが団体に混じっている時があるが、お世話に疲れ果てた添乗員さんがほんとに哀れである。
その添乗員さんたちからよく聞く言葉、私も最近は「あ、またか」と取り乱すこともなくなったが、最初聞いたときは涙が止まらなかった;
「お身内の方が空港で見送る時に私(添乗員)のところに来てこう言うのよ、万が一旅先で死んでも、それはそれで構わないので、もし行方不明になっても捜さなくいいですから、って。」
まるで『姥捨て山へのツアー』ではないか、それでは。
残酷な話である。
でも実際、行方不明になったお客さんを汗だくになって捜すのは私たちなのである。
それを忘れないでほしい。
捜さないでくれと言われて「ああそうですか」とその通りにする者がいったいどこの世界にいるだろう?
私たちに殺人依頼をしているのと同じ、重罪なんですよ、これは。