制服

数日前から、娘が妙なことを言い出した。
「来年の秋から、うちの学校に制服が出来るんだって」
「はあぁ?」
うちの娘が通っている学校というのは、ごくごく普通の公立中学校である。
私立だったらまだしも。
そんなの単なる噂じゃないの?と私は本気にしていなかった。
ところが、である。
今日、娘の学校の教育委員会から手紙が来た。

来年の9月から制服になるのは事実だと告げられ、心底驚いてしまった。
なんでも子供を不良化させないように、という理由が一番大きいらしい。
制服を着ると不良生徒が減るのか?不思議な、というか安易な理由である。そんなに世の中甘くないと思うけど。
制服があると学校のイメージも良くなるだろうと、これまた理不尽なことも書いてある。
暴力的なファッションを避けるために、とあるが、それよりも、麻薬やタバコの蔓延を食い止める方が先だと私は思うのだが。
うちの子供たちは3人とも同じ学校だが、よくぞ回りに影響されず、真っ当な生徒でいてくれたと思わざるを得ないほど、麻薬やタバコの害が凄まじい。
ま、これは、この学校だけじゃなく、ケベック全体に言えることだけどね。
こんな理由での制服とあれば、出費も大変バカバカしい。


私は、幼稚園から高校まで制服だったが、娘がどんな制服だったのか聞かせてと、初めて自分にも降りかかって来た制服なるものに関心を持つようになった。
靴下や靴、体操着まで決められていたと話すと、娘はえーーっ!と驚いていた。
幼稚園と小学校時代は、靴下は紺色と決められていた。鉄棒する度に、ベルトのバックルが壊れ、それでも改善されず、そのまま卒業した。
なんとも不親切な学校だったと思う。
夏服の時のブラウスがパフスリーブだったのが可愛いと思ったぐらいか。
中学校では、登下校の際、ローマ法王の被るみたいな丸い帽子をちょこんと頭にのせてピンで留めていた。
しかも妙な房付き。
嫌いだったのはボレロ
幼稚園や小学校の時は、ボタン一つで留める可愛いデザインのボレロだったけど、中学校は、前ジッパーで好きじゃなかった。
構内では、そのジッパーに小さなメダイを付けるのが流行ったりしていた。
でも全体的に丸っぽいデザインのボレロが大嫌いだった私は、丁度その頃、日本で大ヒットしていた映画『小さな恋のメロディ』のような制服に憧れた。
だから、転校した学校がブレザースタイルだったのがとても嬉しかった記憶がある。
しかも、紺色のセーターも、カーディガンかVネックか選べるので、迷わずVネックにした。
オーバーコートまであって、それも金色のボタンが並んでいて、当時流行っていた「オスカル」みたいと、これまた嫌いではなかった。
ただ、靴は茶色の固い革モカシンというのが、ちょっとイヤだったけどね。
と、いろいろ考え巡らしていたら、自分の制服姿よりも、友人たちの制服姿をはっきりと思い出した。
当時の友人たちとは、今でも交流があるのだが、その一人一人の姿を懐かしく思い出した。同じ服装なのに、どうしてああも各々それぞれ違った雰囲気だったのかな。
面白い。


ま、こうして考えると制服も悪くないかな。
最初は不可解な気分だったが、来秋がちょっとだけ楽しみになって来た。


イギリス映画『小さな恋のメロディ


動画☆
(音が無いけど充分ステキです♪)
http://www.youtube.com/watch?v=MFmOjLSy1WU&feature=related
こんなだったら、文句言いませんです、はい。