骸骨街道まっしぐら

今、娘の中学校では、とても悪い二つの風潮が流行っている。
一つが、まだまだ寒いのに、コートを着ないで通学すること、もう一つが、昼ごはんを食べないこと、これらがトレンディなんだそうで、冬のコートを着ている生徒や、ちゃんと昼ごはんを食べている生徒を、からかったり笑ったりするらしい。要するに冬のコートを着て、昼ごはんを食べるのは格好悪いみたいな風潮を、一部の生徒たちが勝手に作り上げ、それがどんどん校内中に拡がったというわけだ。
うちの娘はマイペースなので、別に回りに簡単に同調するようなミーハーではないが、回りの友達らがそういうツマラナイことに影響されているという状況を時々話してくれる。


この長い冬にはもうウンザリ、重いコートを脱ぎ捨てて身軽になりたい気持ちは痛いほど分かるが、寒さの方がもっと痛いのは確か。
今頃によく使われるフランス語の諺に、
En avril, n'enlève pas un fil.
というのがある。「4月は1本の糸までも身体から取ってはいけない」という意味。
春先の薄着はダメだよと、昔から代々に伝わる警告なのだろう。
昔の人の言うことは聞きたいものだ。


昼ごはんだけじゃなく、つまり断食するダイエットが、ハリウッド女優たちの間で広まっているようで、その影響なのか、世界的に「食べない」のがカッコイイみたいな時代になってしまっているようだ。また呆れたことに、生徒たちの母親たちがこぞって断食ダイエットに励んでいるそうで、そんな母親の姿に子供は大いに影響されるのは当然だろう。最近ケベックでも、頭蓋骨や頬骨などが浮き出た骸骨っぽい人を時々見掛けるようになったのもその影響なのかもしれない。
娘の中学校でも、栄養失調で倒れて救急車で運ばれたり、摂食障害で精神科に通う生徒たちが増えて来ているそうだ。ところが、教師たちも骸骨ダイエットをしているのがかなりいるようで、生徒たちに対する警告もそんなに大きくは出されていないところがなんとも恐い。
ひたすら痩せるのは結構だが、体重の中に骨や脳の重さも入っていることを忘れている人が多いように感じる。体重=オール脂肪みたいな。骨に空洞が出来てしまったら骸骨にもなれないってことか。
生きているうちから骸骨になるのは嫌だ。


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