イザベルの甘え

私が休みで家にいると、娘のイザベルが、フンフン鼻を鳴らしながら私の後を附いて来る。
この9月から中学生なのに、まるで大きな赤ちゃんみたいだ。
小さい頃は、私の腰の辺りに纏わりついては、Tシャツの裾やエプロンを引っ張ったり齧ったりしながら、別に泣くわけでもなく、何かグズグズ言いながら私を見上げるあの幼い姿は決して忘れられない。今も変わらず、しかし、背丈は私よりも若干高いので笑ってしまう。
これが私に対しての唯一の甘えなんだろうなと思うと、振り払うわけにもいかず、なのである。