「私がブランド」

私はブランドが嫌いじゃない。
その証拠に、ブログ右端にはたくさんリンクが並んでいる。
ただあまり詳しく知らない。
興味があるのは、ブランド香水ぐらいで、バッグや靴などのブランド流行には疎い。
セレブなんていう世界からは程遠い暮らしなので。
ケベックには、ブランド店が殆ど無い。
しかしながら、彼らはフランス系なので、全くのブランド無知ではない。
かなりの情報を持っているし、そのブランドの歴史や背景などにも詳しい。
でも、ブランド品を身に着ける人はあまり見掛けない。
パーティーなどでケベック人女性を観察していると、「私がブランド」系が大半を占める。
自分自身がブランドなのだ。だから、マフラーやアクセサリーの使い方にしても、決して高価なものでなくても、心憎い工夫が見られて、ただボ〜ッと見ていてもかなり学習出来る。
私はあまり人付き合いが得意ではなく、仕事上のみ初対面のお客さんたちとも親しげに話せるが、プライベートではなかなか他人に心開くことが出来ないし、どちらかと言うと、一人で過ごしている方が気楽でいいなと思う。でも、このままではどんどん老け込んで行くような気がするのだ。表面上もそうだけど、何と言っても頭の中が老け込むのは恐い。だから、自分で自分を外へ外へと叩き出さないとなかなか飛び出せないのだ。今まではどこに行くのにも、長男などが必ず同行していたが、最近やっと一人でいろんな場に出て行くようになった。そこで、観察する楽しみを見付けたのだが、それがとても楽しい。ケベック人女性は、お洒落な人が多い。やっぱりフランス系だからなのだろう。
最近、いろんなパーティーで顔を合わせる女性がいる。年齢は60代だそうだが、キャメロン・ディアスとそっくりだ。その人のファッションがいつも素敵なのだ。まだ寒い時には、黒のタートルシャツの上に黒のフェイクファーの小振りなポンチョ、下はベージュのパンツ。先日のパーティーでは、ヴィンテージジーンズに上が落ち着いたグリーンの革ジャケット。とにかくいつもカッコイイのである。
自分の持っている小さなブランド品がとても恥ずかしく思ってしまうほど、彼女たちは実に堂々としていて、彼女たちの前ではブランドも形無しといったところか。私も、体型にではなく、ファッションにある種の「貫禄」がほしいなとしみじみ思う今日この頃である。