ピンクン

小さい頃からピンク色が大好きだった。
ピンクと言えずに「ピンクン」と言っていた。
今でも両親は私に時々この言葉を使う。


 
バヌアツであなたが見つけたピンクのハイビスカスを長い髪に挿してみた。あなたはもうこの世にいない。あなたとの思い出の場所。潤一郎の父親と最後に行った島がここバヌアツだった。あなたは飛行機をとても恐がった。「死にたくない」と何度も言った。でも天国に行ってしまった。本当の天国へ・・・。


 
彼に着せてみようかな、このピンクのワイシャツ。ぜったいにイヤダって言うだろうなあ・・・。甘さのない人なので似合わないかも。


 
白い雪とピンクの家の組み合わせが好き。だってちっとも寒そうじゃないもの。


 
友達に赤ちゃんが生まれる。女の子らしい。プレゼントは全部ピンク色にしよう。今は生まれる前に性別が分かるんだもんね、以前には考えられないことだった。


 
ピンクのギンガムでカーテンを縫った。小さな窓に飾ろう。


 
ピンクのバラ模様の食器が好き。お皿の上には料理と一緒にピンクのバラを添えるのが好き。


 
私にとってピクニックにはいろんな思い出がある。大概いつもそこから恋が始まる。草いきれの中でいつも恋が始まる。


 
私が通っていた幼稚園は修道院の一部だった。その修道院の庭にはバラが咲き乱れていた。その庭を夢見ながら一人で歩くのが大好きだった。いつも自分の花嫁姿を思い浮かべていた。