山頭火

さてここで前文内容とは全く関係の無い、山頭火である。
貧しく、酒に溺れた生活に自分を追い込んでいく山頭火
その中には若い頃から頭脳明晰だった様子が覗える。
イカラな、外国文化にも通じていたことなども見えてくる。
「人生の欠落者」、さらには「乞食」とまで呼ばれた山頭火
最初はとてもショックだったし、自堕落な生活にゾッとしたり・・・
でも一度本棚に仕舞った本をまた出して来て読んだ。
嫌なのに読んだ、何度も読んだ。
でも好きになんかなれなかった。
ところが彼が11歳の時に母上が自殺したことを知って涙が止まらなくなった。
「そうだったのか」
すべてが理解出来た。すべてが許せた。それまでの心の中のもやもやが解決した。
かわいそう? いや違う。
なぜあそこまで自分を追い込んでいくのか少しだけ分かったのだ。
彼の魂がとても高い所に昇り、完全に次元を超えた瞬間に、彼の口から透明な数々の句が生まれた。
普通の人間だったら落ちぶれて一環の終わりとなるところが、彼は貧しい苦しい中から傑作を生み出したのだ。
今後もまた山頭火を語っていきたいと思う。