消化不良

クリスマスシーズンが近づくとよくスーパーなどで見掛けるのが、パーティー用ディッシュだ。
それも直径40センチほどの巨大皿の上に生野菜だけ、ハムだけなどの、それぞれ見栄えよく詰め合わせたものである。
生野菜、チーズ、ハム、茹でた海老、寿司、サンドイッチ、カットフルーツ、プチケーキ、クッキーなどそれぞれの詰め合わせ、チーズとぶどうのコンビネーションもある。
その中で特にすごいのが、生野菜の詰め合わせである。
日本では通常茹でて食べるようなものが、バリバリの生のままで食べるのだ。
例えば、にんじんやセロリーは当たり前、ブロッコリーやカリフラワー、マッシュルームも生のままだ。
最近ではなんと「絹さや」まで生で登場した。筋も取っていないので、これは相当抵抗がある。


ケベックに初めて来たばかりの頃、夫の身内らが生のマッシュルームをもぐもぐ食べるのを見て声が出なかったことを憶えている。
しかし、生野菜ばかり食べるのは問題である。
私の母は70代に入って盲腸になった。それもひどい盲腸で1ヶ月以上の入院だった。
そこで彼女が医者から忠告された事とは、食物繊維や不消化なものの摂取厳禁であった。
玄米ときんぴらごぼうなどを一緒に食べていたらしい。
なんか聞いただけで腹が痛くなるような組み合わせだ。
間違いなく、70代の腸は悲鳴を上げるであろう。
こちらの子供たちの学校に持って行くおやつは、
スティック野菜(にんじんやセロリー)、チーズ、ヨーグルト、フルーツなど。
アーモンドやピーナッツなどのナッツ類はアレルギーの子供が多い為、学校への持込み禁止だ。
長男の時代に驚いたおやつがあった。
マカロニやスパゲティーを生のまま、あの固いままをカリカリ食べるのだ。
また、インスタントラーメンを袋ごと持って行き、袋の上から細かく砕き、そこに粉末スープをかけて麺と混ぜ混ぜしてから食べる。
一時期爆発的に流行したのだが、消化不良を起こした大勢の子供らが病院に運ばれ、連日ニュースでも大騒ぎ、教育委員会も絶対厳禁を学校に呼び掛けた。
かしこい日本人社会でこんな現象は決して見られないだろう。