海外生活の厳しさ

ちょっとね、今日はケベックに対して腹を立ててるんですよ、アタシャー。
たかだか血液検査とかレントゲンとか、そういう日本だったら普通の開業医のところでもOKみたいな検査が、ほんとにケベックでは大変なのだ。
いちいち予約を取らなければならないんだけど、それが数ヶ月先とかになってしまうのだ。どんなにいいお医者さんを見つけても、受付とか医療秘書の連中がケベックの場合、もう最悪。もうとっくに定年退職してもいいようなオバサンさんたちが数多く陣取っていて、元から頭が悪いのか、年取って少しボケが入っているのか、そのスケジュール調整が信じられないほど要領の悪いものなのである。あのオバサン連中が、ケベック州の医療システムを滅茶苦茶にしていると言っても過言ではないと思う。よく友人たちと愚痴るのだが、何か大変な病気とかだったら、あんなに検査に待たされて、そのうち死んじゃうよねと。乳癌検査の予約を取ったら一年先とかね、よくある話ですよ、ケベックでは。だから、医療費がタダでもちっとも救われないのである。「タダほど高いものは無い」という教訓が頭をかすめる瞬間でもある。
「海外で生活しよう」みたいな日本での呼び掛けを最近頓に目にするが、確かにケベックなどを見ても、老後のいろいろは日本よりも優れている面も多いが、全体的に見て、便利さなどの観点から見ると、日本のシステムが一番無難だと私は思う。大きな持病が無く、老後も痴呆症や麻痺が無い場合は、日本での生活の方がずっといいと思う。
海外で仕事をしたり、長年に渡って海外生活することが如何にも簡単ランラ〜ン♪みたいな内容を何かで読んだりすると、腹が立って仕方が無い。そんな楽なわけ、ないだろう。
日本よりもずっと貧富の差のある欧米生活。パリでも、高級店の並ぶ道路で、夜になると排便したり(道路に落ちているのは、犬のものだけじゃないのだよ)、ダンボールに包まれて眠るホームレスもいる。日本でも貧困問題は多いが、欧米はその数が桁違いに多い。そんな場所に日本から入って行って仕事をするわけだから、現地の人たちへの配慮もある程度は必要だ。現地の人たちとの融合、言語や習慣の違いなどなど、問題は山積みなわけで、楽でカッコイイ海外生活などこの世には有り得ないのである。