熊の登場

わが家の外には高さが150センチぐらいの大きなゴミ箱があるのだが、夕べ午前2時頃にそのゴミ箱のガタンという音に眼が覚めた。家の外側のライトを全部点けてから、懐中電灯を持ってデッキに出てみると、ゴミ箱のすぐ近くになんと熊がいたのである。大人の熊よりちょっと小さめだけど赤ちゃんではない。人の家のゴミ箱を勝手に倒しておきながら悪びれもせず、開き直ったようにこちらを向いてジッとしている。懐中電灯の光が熊の瞳に当たると、まるで星のようにキラキラと輝く。こちらも、デッキの内側という安全圏にいるので、じっくりと熊を観察していた。折角食べ物にありついたのに実に残念であるという面持ちで、静かに熊は遠ざかって行った。途中、何度も未練がましくこちらを振り返りながら。
ゴミが少しだけ散乱していたので片付けたかったけど、そこは我慢。熊は、相当な空腹と見た。こんな時に、のこのこと外に出て行ったらとても危険である。
翌朝、見に行ってみると、ニンジンの皮を食べようとしていたのが分かった。夫曰く、熊は肉類は食べず、葉や木の皮、木の実など自然の植物しか口にしないとか。へええ〜、そんな完璧なベジタリアンなのに、どうしてあんなに太ってるの?と私が言うと、夫と子供たちが腹を抱えて笑い出した。ああいうのは太っているとは言わない。ああいう体型でね、元々・・・夫はそれだけ言うと笑い過ぎて喋れなくなった。
ちっ、そんなに可笑しいか?みんな。