今朝、仕事で空港に行くと、航空会社のカウンターにあまり見たことの無い若い男性が座っていた。
The Killersのボーカルと瓜二つの男性で、最初ギョッとして見たのだが、その時彼と目と目がバチッと合ってしまった。すると突然、この男性、カウンターを飛び越えて私のところにやって来たのだ。もう満面の笑顔で。更には、「やっとやっとあなたに会えました！」と言うではないか。「え？」みるみる私は固まった。私は彼を知らない。
「会えて嬉しいです。やっと念願が叶いました」感極まった表情で彼は言う。誰？この人。私は知らないよ〜。
「お元気でしたか？長い間会えませんでしたね。どうなさっているかと思っていました」と彼。「あ、あの、私、あなたのことは」と言い掛けた時、お互い担当のお客さんから呼び出されて「ではまた」とそこで話が途切れてしまった。お客さんのチェックインをしながら、気になって彼の方をちらと垣間見ると、仕事もろくに手につかずという状態で、私の方ばかり見ては輝くような笑顔を投げ掛けて来る。30歳前後ぐらいなので、もしかしたら、長男の友達関係かも知れない。でも、こんな人いただろうか・・・私もお客さんに説明しながら、気になって仕方がなかった。
お客さんが税関を入ってからも暫く空港内に待機するのだが、その時に「あなたは誰？」と訊くチャンスはあったのだが、なんかあの「情熱」が恐かった。念願が叶ったとは一体？長い間会わなかった？誰だ、一体！！！
勇気を奮い起こして（内気なんですよ、私はこういう時って）、カウンターの方を上の階から恐る恐る見下ろしてみると、彼の姿はもうすでに見えなかった。時間が来て、そそくさとタクシーに乗り込んで帰って来た私だが、幾つになってもいざとなると意気地の無い私なんである。
