日本に帰りたい?

同胞との別れは本当に悲しい。
それまでの長い海外生活に別れを告げて日本に帰ってしまう同胞たちの後姿を今までに何度となく見送った。


先月にパリで開催されたフジコ・ヘミングさんの絵画展ヴェルニサージュの会場でも、長男がそんな別れに遭遇した。その方と知り合いになれて長男は喜んでいた、その矢先だった。
長男が会場を後にする際、エントランスのところまでその方が見送って下さったそうで、その姿が頭に焼きついて・・・と息子が寂しそうに話していた。


よく「日本に帰りたいと思う時がありますか?」と訊かれるが、もちろん!ありますよ、日本人だも〜ん。
でも、今のところは生活第一拠点がケベック、第二拠点がパリということもあるし、日本に家はあるけれども、家族がみんなまだ私を必要としているし、今のところは(旅行は別として)帰る予定は無い。「日本食」と「本」と「歯の治療」を目的に、日本に1年の半分とは言わないけど、せめて3ヶ月ぐらい滞在出来たらいいなとは思うけどね。
わが家でなんといっても日本の大ファンは長女のイザベルだ。彼女にとってはまだ一度しか行ったことのない日本だが、憧れの国だそうです。自販機や回転寿司、新幹線などなど、娘の目には新鮮に映ったらしい。日本のアーティストも大好き♪少女-ロリヰタ-23区、ヴェルサイユ(同名の米国女性アーティストから警告されたとかでバンド名が変わったらしいけど、あくまでもこっちではヴェルサイユのまま愛されていますよ♪)、DIR EN GREYガゼットGazettEはフランスでも大人気です)、アンティックカフェ(うちの母もファン)、アリスナイン、MALICE MIZERGackt(私もファンでごぜーます。フランスでもケベックでも人気です)などなどもう娘に訊いていると限がないのでこの辺にしておこう。
最初は、長女も長男と一緒にパリに行かせようとしたが、長男曰く、教育システムは今のところ断然ケベックの方が好ましいので、せめてセジェップ(日本の高校3年・大学1年に相当する)まではケベックで勉強させてほしいと言っているのでその通りにしようと思っている。フランスの教育も悪くはないのだろうけど、なにしろあれだけ頻繁にストライキばかりやっていたのでは、勉強の進み具合もかなり遅れて来るのではないだろうか?そのせいか、パリでは家庭教師が大繁盛だ。
パリ在住の長男は、2番目の卒業大学であるパリ大学Ⅰ、つまりソルボンヌで、専攻した数学を通算1年半で卒業してしまったが、パリ生活にも慣れて来たし、家も持ったし、このままずっとパリに住むのだろう。
二男くんは、ずっとこのままケベックで生活したいそうだ。夫も同様。
母は現在日本に、そしてアルツハイマーの父はケベックの介護マノワールにと、三代に渡って地球上にそれぞれ分散して生活しているわが家です。だからいろんな面でネットが有難い。