ホームドクターM先生

今度の新しいホームドクターM先生はとっても熱心で、ほんとは1ヶ月に1回来てほしいと言われているのだが、今回3ヶ月ぶりに行って来た。「久しぶりだね」とちょっと睨むような笑い方でM先生が私を見た。「へへへー」とはこれまた間抜けな照れ笑いの私である。別に持病があるわけじゃなくて、通常検診みたいな感じだ。医師の方から「診察に来るように」なんて言ってくれるのって、ケベックに来てから初めてかも。
パリ在住の長男も、ファミリーの中に入っているので、ケベックに来た時は検診してもらえる。
ケベック州民である限り、医療上ちゃんと守られているという安心感がある。
これは、ケベック州民だけの特権なんだけど、各自が通称Assurance maladie(アシュランス・マラディ)というカードを持っていて、医療費は、歯科以外は全部タダ。入院も、特別室とか取らない限りタダ。
カードの一例↓

本人の顔写真とサイン入りじゃないと使えない。
先日父の付き添いで行って来た救急病棟も、壁に貼ってある料金表を見て来たけど、救急24時間ケアで約27万円だから、ケベック州民になったら、身体の不具合はとにかく我慢しない方が絶対に得だ。確かにケベックは税金が安くないけど、こんな風に税金が有効に使われているのであれば納得出来るのである。
なんてうわの空でボ〜ッと診察ベッドに座っていたら、M先生が私に質問していたのに気づいた。何度も同じ質問をM先生は繰り返していたようだ。はっと我に返ると「dans la lune? eh?」と言われた。「月にいるね?え?」みたいな。うわの空状態を、この「月にいる」という表現がフランス語にある。
être dans la lune
が原形なので、例えば「彼女は月にいる(彼女はうわの空だ)」を
Elle est dans la lune(エ・レ・ダン・ラ・リュヌ)
と言う。私は、ケベック人やフランス人たちからよくこう言われる。若い頃から、恋人とかからも、「オレの話をちゃんと聞いてるのか?」という意味でよく言われたけどね。何か他のことに気を取られているのかと誤解されることもある。単なる「ぼんやりちゃん」なだけなんですけどね。