弟の犬


弟のところで飼われている犬たち。
上がジャムくんで、下が翡翠くんだ。
私は実際に会ったことはないのだが、電話で呼び掛けると、遊んでいるのを止めて、途端にキョロキョロし始め、受話器をジッと見たりしているらしい。ウェブカムが繋がったら、動く彼らに対面出来るのが楽しみだ。


ジャムは、赤ちゃんの時からの犬だが、翡翠は、捨てられていた犬だ。だいぶ悲惨な状態で拾われて保護されているのを、弟がもらって来て育てている。翡翠というちょっと変わった名前は、その保護されていた時からの名前らしい。もらって来たばかりの頃は、毛並みも荒れて、いつも目に涙をいっぱい溜めていたらしい。今では、艶々とした毛並みが蘇り、涙目になることもなく。大きな黒い瞳の、なかなか賢い犬だ。
ジャムは、お坊ちゃまで、おっとりとしているが、時には、翡翠に先輩風、兄貴風を吹かせるらしい。散歩する時だって、こうして翡翠の上によじ登って辺りを見渡したりしている。


翡翠がもらわれて来た頃に、母から「翡翠をフランス語で何て言うの?」と訊かれたので「Jade(ジャドゥ)」と答えると、「・・・じゃぁ英語では?」と言うので、「綴りは同じだけど、ジェイドゥ」と答えると、暫く沈黙があってから突然、「そのガイジンくさい発音しかないの?」と母が言い出した。・・・ガイジンくさいって何やねん(-_-;)
「じゃぁ、ドゥを日本語的ににしたらいいじゃん。ジェイドだったらカッコイイかも」「ジェイド・・・ねぇ・・・」また暫く沈黙。「なんか呼ぶ前から忘れそうな名前だし」と母。〈ええっとぉぉ〜なんだっけぇ〜この犬の名前、ジャ?ジェ?・・・〉眉間に皺を寄せて目をぎゅっと瞑って思い出そうとしている母の顔が浮かんで来た。「いいんじゃないの?翡翠のままで。素敵だよ、〈××(私の実家の苗字)翡翠〉なんて、なんか俳優みたいじゃない?」と私が言うと、母はあっさりとそれまでの外国語変換を諦めてしまった。
さて、フランス語圏の人々にとって、ハ行の発音は難しいものがある。「鼻の穴がヒリヒリします」(変な例文ですみません)という文を彼らに言わせると面白いですよ。ハ行が出て来ると、どういうわけかア行まで混乱する彼ら。だから、このハ行の発音を彼らは異常に意識する。うちの子供たちも、翡翠と言う時に、すごく力こぶ入れて「スイ」 まるでその度クシャミでもしているかのように。だってちょっと力を抜いて油断すると「イスイ」になってしまうからだ。


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