ずっと仕事が忙しくて娘の相手をしてあげられなかった。
ここんとこ連日、久し振りに娘と一緒に買物やドライブを楽しんでいる。
今週の木曜日から連休の彼女、前から欲しかったものリストなどを勝手に作って、スケジュールも勝手に作って、ひとりで勝手に喜んでいる娘なのである。
以前にも書いたけど、ケベックのティーンエージャーに人気のブティックGARAGEの話を絶えず娘から聞いていたので、私もＨＰ検索でこっそり予習はしていたのである。だから、娘と一緒にブティックに行った時、私が娘より詳しく商品を知っているのを、娘は引っ繰り返るほど驚いていた。
今まで娘は私に気遣って「あのね、GARAGEってね、高いのね。だからね、絶対買ってなんて言わないからね。似たようなのを自分で探すからね」と、「ねねね」のマドモアゼルは、チープな店で自分で探しては自分の微々たる小遣いで買っていた様子を、ずっと横目で見ていた私。そう、心を鬼にしていたのだよ。
この際、娘の欲しがるものをイヤと言うほど買ってやろう、誕生日とクリスマスのプレゼント、正月のお年玉も全部全部まとめて買ってあげちゃおうと密かに心に決めて娘とそのGARAGEとやらへ向かった。
でっかいピンク色のネオンGARAGEの下を潜るといきなりパンツだ。しかも、ブリーフのような形のビキニパンツが彩りよく重ねてある。「あれ？男物もあるの？」と早速オバサンな質問をして娘から嫌われる。
耳を劈くような店内の大音量に、ものの数分で私は草臥れ切ってしまった。いやいや、スポンサーがここで倒れていては話にならないじゃないか。チープなものでずっと我慢していた娘の健気な姿が頭を過ぎる。
控えめに一枚のＴシャツを手に持って見ている娘。「あのね、これね、前から欲しかったのね」と「ねねね」のマドモアゼル。それを横から引ったくり、「他には？」と私。「・・・えっ？」大音量の中で、口の形だけの「えっ？」だ。驚く娘に、「欲しいものを全部買ってあげるよ」と大音量に負けずに私が叫ぶと、更に娘は驚いて、私の顔をジッと見て棒立ちになっている。「買ってあげるよと言ってるの、それがなにか？」すっかり買物モード暴走イノシシ化したオバサンをもう誰も止められない（誰も止めねーよ）。
私の目から見て素敵だなという思うのを数着手にして「試着しておいで」と言うと、まるで雲の上を歩くような足取りで試着室に入って行った娘。
ふと見るとシックな応接セットが店内に置いてあるではないか。なんと具合の良いことよ。「あ〜やれやれどっこいしょ」と暴走オバサンはそこに座り込んだ。そこであらためて店内を見渡してみると、並んでいる商品のあまりの小ささに驚いてみる。いくらティーンエージャー対象とは言え、一番大きなサイズが日本の９号ぐらいだろうか。これじゃぁ、ちょっと太めな１０代はお断りってことだろうか。
私も丁度娘のような体型をした１０代だった。太ることなど夢にも思わない幸せだったあの頃・・・それからもなんとか中肉中背を保ち、４０歳で初めてダイエットというのを知った。
嗚呼、時間は遡れない。ううう（嗚咽）
「全部好きだけど、でもいいの？買ってもいいの？」娘の声で我に返ったイノシシは、何枚も手にＴシャツを持っている娘に「もっと買いますから、キープしておいて下さいと店員さんに頼んで来なさい」と言い放ち、「え？そんなことしていいの？」と世間知らずな娘に苦笑しながら更に商品の並ぶ方へ突進して行った。
ニットのマフラーやミトン、帽子などもあったが、あんなのは編めそうなので、暫く手に持って編み方を研究。というか盗み見。娘はGARAGEのコートにも憧れていたようだったが、「学校で着ている人が物凄く多いから」という理由で諦めたようだ。いや、コート自体を諦めたわけではないので、また他の店でコート探しをしなければならない。
取り敢えずGARAGEでは、Ｔシャツ４枚、フード付きシャツ１枚、ニット１枚、パーカー２枚を買った。
さて、次はコートだ。
COSCOで、パール系のダウン、しかも一枚約５０００円のを２枚買ってあげようとしたら激しく拒絶され、飛ぶように売れるそのダウンを悔し紛れに見ながら他の店に移動。そうそう、Ｈ＆Ｍがあった。初めて行ってみた。・・・う〜ん、なんかね、GARAGEを見てしまうとちょっと失望かも。フランス系のお洒落〜♪からいきなり別世界に行った気分。もちろんコラボ商品なんか置いてないし。北欧のインテリアは確かに素敵で大好きだが、ファッションとなると、やっぱりフランス系に私は惹かれる。ま、これはイノシシが勝手に作っている落差であって、皆さんは気にされないで下さいね。
で、結局コートは他の店で２着買った。最近の流行らしく、娘が買ったのも大きなチェック柄。フードにイミテーション毛皮の付いているのもお約束らしい。ふ〜ん、なるほどね。
大喜びの娘は早速ファッションショ〜♪
マフラーはイノシシ作。
