言語&人種

ケベック人でも、この頃では日本語を勉強している人も増えて来て、突然思い掛けない場所で日本語で話し掛けられるのは、驚くけれどもやっぱり嬉しい。しかし、中には、そういうケベック人にさえフランス語や英語で話し掛ける日本人がいるのである。その国ではそこの言語を尊重し・・・などというキレイゴトであるのはよく分かるが、まぁなんとも進展の無い場面だと思う。折角の多重言語者同士、いろんな言語を使ってもいいじゃないか。
単一言語者は、フランス語圏にはかなり多い。ケベックにもフランスにも、頑固にフランス語一徹みたいな人は多い。とっても残念な面だけど。但し学歴のある人だったら、二重もしくは多重言語者が多いのは確か。
何と言っても言語というのは、たくさん話せる方がもちろん!!あらゆる面で優位な立場になれるのは確かである。


日本でも単一言語者は多いかも知れないが、日本人というのは、外国語に対して絶対的な理解があるし、興味を持っている人が断然多い。
欧米人は、日本人とはまるで違う。いい例が、通訳している時によく見られる。(もちろん例外もあるが)一般に欧米人たちは、通訳をとてももどかしく感じる人が多いように思う。通訳を聞いている時の彼らの表情が一様にイライラしている風だし、酷いのになると「私は忙しいから通訳を聞いている時間は無いのです」などと言い難いことをはっきり言ってしまったりする輩も多い。電話では向こうから切ってしまったり、なんて失礼極まりないこともある。そのくせ、自分にとって儲けになるような話、つまり商売上の交渉なんかは、実に素直に気長に耳を傾けたりして、まるで態度が豹変するのが実に可愛くない。飽くまで現金なんである。
私は仕事上、連日各所で通訳しているような職種であるが、店などで買う買わないの通訳をする時は、欧米人たちはとても素直だ。日本人の質問を丁寧に一語一語聞いてくれる。また、自分たちにとって有利な立場である時、個人的に有利でさえあれば、もうそれはそれは協力的である。自分たちの国や州をPRする時といった全体的なことに関する時はあまり熱心ではない。見ていてとてもはっきりしているので、腹が立つよりも滑稽で笑ってしまう。
それに比べて日本人は、如何なる時も、外国人たちに対して協力的・友好的である。どんなに分からない言葉でも、少しでも、一語でも聞き取ろうとする熱心さ、相手の風習や習慣などを理解しようとする賢さ・冷静さなどにおいて、日本人の右に出る人種は他に無いだろう。まぁ、これが度を越すと、欧米人にチヤホヤ、同胞には冷酷ということにもなって、日本人同士ぶつかっても謝らない人でさえ、欧米人にはちゃんと謝るなどという笑える現象も生じるわけだが。