生きる力 女三代の場合

うちの105歳の祖母・・・
その生きる原動力となっているのが「悪口と怒り」である。
私の母は、私が小さい頃に脊髄腫瘍という、恐ろしい病気をして手術を受けたのだが、生死を彷徨っている時というのは、全く「生きよう」という気力が無いんだそうな。朝、看護師が窓のカーテンを開けるたびに、「また今日も一日が始まるのか」と失望感いっぱいになるらしい。
それが少しずつ、回りに目が向いて来て、父が殆ど見舞いに来ないことに腹を立てたり、姑の言動がいちいち気に障ったり、意地悪な看護師にどうやったらリベンジ出来るかと企てたりと、先ずは憎しみや嫌悪感から、生きようとする気持ちが生まれたという。
「くそっ!死んでられるか!」という気持ちになってからというもの、めきめきと回復して行ったらしい。原因不明の40度を超える高熱の中、3人の子供を残して死ねない!と心の中で叫びながら、吐きながらお粥を食べたらしい。
そして、この私も「なにくそ!」精神で生きている。もちろんこんな気持ちのまま四六時中いたら大変なことであるが、何かで怒りが湧いた時はそれを絶対に食い止めないようにしている。思いっ切り怒ることにしている。悪口もじゃんじゃん言う。納得出来ないことは、必ず言葉にするようにしている。なるべく泣き寝入りはしないように心掛けている。迷惑掛けるのは、人間お互い様でしょ。
これでも歳のせいかだいぶ喧嘩しなくなったけど、以前はほんとに喧嘩っ早かった。歳と共に、喧嘩するエネルギーが弱まっている感じだ。怒りは確かにストレスになるが、元気付ける時に「ファイト!」とも言うじゃないか。
お陰で、長年に亘る職場での虐めにもどうにか耐えていられるわけで。
でもでも・・・母も私も、実は弱虫でよく泣くの。
105歳は泣かない。まったくスーパー・ストロング・バアサマですよ。