ミッシェルの入院

夫の弟ミッシェルが倒れて入院した。
ふだんから何かと我々家族の力になってくれているミッシェルのことだ、何をさて置いてもという気持ちで病院まですっ飛んで行った。
一時は気を失うような状態だったが、顔色も良く、いつものミッシェルの様子にホッとした。
でも、これから精密検査を受けるそうで、2週間ほど入院するらしい。
集中治療室と言っても、かなり緩やかなところに入院していたが、依然として油断は出来ないという状態には変わりない。
血圧や脈拍が、ベッドの横のスクリーンに刻々と表示されていた。
病室には、他に、夫の姉ローズと、姪のビアンカがいた。
私はビアンカが昔から苦手で、今回会うのは何年振りだろう。
子供の頃からいつも上から目線な物言いが、最近ではオバサンになって(顔は現在のジョディ・フォスターとそっくり)更にそれに磨きが掛かった感じで、もっともっと遠ざけたい存在に化していた。
相変わらず、自分だけが頭がいいのでござい、自分だけが何でも知っているのでござい、という彼女の態度にウンザリしながらいたのだが、そこに颯爽と担当医が入って来た。
か、かっこいい・・・
まるでロックミュージシャンのような雰囲気で、ちょっと崩れた雰囲気が医者らしくなくて素敵だ。
ミッシェルにいろいろ説明する彼の姿に、ビアンカなんかもうどうでもよくなった。
え?なに?彼の苗字はBlouinというのか・・・みんなのやり取りを聞いていて彼の名前が分かった。
こんな時だけはアンテナがクルクルと回る。
すると、そのBlouin先生は、突然ミッシェルから私たちの方に目を向けて、「皆さん、ご家族ですか?」とにこやかに話しかけて来たから、私は必死で「はいっっ!(フランス語でOui!ウィッッ!)」と飛び切り元気に返事をしてしまって皆から笑われた。
まったく分かりやすい性格だわね。


ここ最近の暖かさで、セントローレンス河もすでに流氷状態も終了。
ただ、まだ部分的に凍っているところもあるので、離島へ渡るフェリーは運休中だ。
遠くに見える連峰がローレンシャンです。