地震

2日ほど前に、ケベック地震があった。
丁度その時私は美容院にいた。
ヘアダイをしながらのんびり雑誌を読んでいる、丁度その時だった。
急に空気が変わり、そう、まるで近くで爆弾でも破裂する時のような空気の大きな揺れを先ず感じた。
次に音だ。
ゴゴーッという地響きとドーンという地鳴りが一緒に来たような。
震度は大したことが無いようだったが、それでもあの空気の揺れと音が恐かった。
ところが、である。
「あ、地震だ」と私が言っても、周りのケベック人たちは、「はあぁ?」状態だ。
地震だって」「ええ?まさか!何も感じないわよ」
「何か感じた?」「ノン」
神妙な顔をしているのは私だけで、他のケベック人は誰一人として、その地震に気づかない様子である。
だいぶ大昔の話だが、ケベックでは珍しく震度4ほどの地震があった時に、ノイローゼに陥った人が多数出て大騒ぎだったのを憶えている。揺れと同時に慌てて外に飛び出し、泣き叫び、傍から見ているだけでも恐ろしいほどのパニック状態だった。
それが、こんな微震*1では全く何も感じないという彼ら。私はたまたま地震国の人間だから、ちょっとした揺れにも敏感に反応するのかも知れない。それにしても、今回のあの爆音と空気の振動に彼らが気づかないというのは、あまりにも愚鈍というか、何と言うか。同じ人間なのに、ね。あの愚鈍さで、例えば大きな地震が来たら、心の準備の出来ていない彼らにとって、そのパニック度たるや如何に。
しかし、あの揺れや音で、更に震度が上がったら・・・想像を絶するものがある。日本の地震とはまたちょっと違うあの感覚。大陸全体が揺れるような、そのまま地中に飲み込まれそうな、そんな恐ろしい予感をしてしまうのは、私だけなのか。

*1:この程度の微震はかなり頻繁にある。