ケベック そのふところの深さ*1

今回の出来事から、ケベックのふところの深さをあらためて認識させられた。
豊かさと安全性と・・・数え切れないくらいである。
心底安らぎが与えられた。
有難いことである。
今回のことを切っ掛けに様々なことを学んでいる気がする。
これを境に今迄持ち続けて来たたくさんの疑問が少しずつ吹っ切れて行くようだ。
ケベックでの生活を大切にしたい。
ケベックで暮らしていることを誇りに出来るような生き方をしたい。


何と言ってもケベックは物価が安い。ということは、叶えられそうもないような非現実的だと思っている夢でも、ある程度までは叶えられる可能性もある。完全に叶えられなくても、だいぶ夢に近付くことが出来るのだ。衣食住全体的に安い。通貨が違うから仕方ないことだし、日本円はそんな打撃は受けないんだろうけど、カナダドルはユーロの前ではぶっ飛びもいいとこである。乱暴な計算かも知れないけど、倍掛けして考えてもいいくらいなんだもの。ありゃぁ、ほんとに痛いッス。


清潔の規定がケベックは大変厳しい。移住して18年、仕事柄、連日外食も多いのだが、一度も食中毒などのトラブルに巻き込まれたことは無い。レストランや食料品店などでの食品の保存状態が少しでも悪いと罰則を受ける。最悪の場合は店舗閉鎖へ追い込まれることも。残念ながらフランスでは3度、食中毒に遭っている。


わが家からケベック国際空港まで車で30分。そのままパリへ飛べるので、例えば朝食をケベック、昼食は機内、夕食はパリで、が大きなディレーでも無い限り充分可能(ある一例です)。空港から街の中心地までのタクシー料金が定められている。この規定が出来てから雲助タクシーがだいぶ減った。車での移動が当たり前の社会。路上駐車規制が厳しい。歩道に車が乗り上げるなんてことは余程のことが無い限り有り得ない。地下駐車場などとにかく駐車場の数は多い。駐車料金も世界規定で見ると安い方の部類に入る。車がある限り、大きな買い物も吹雪も厳寒も問題無い。この快適さは、人口の少なさとも大いに関係あるとは思うが。


医療費は歯科以外はタダ。そのための恩恵を被るためには永住権が必要。これはケベック州独自の健康保険システムで世界中から注目されている。ケベックで2人の子供を生んだが、快適極まりない出産・入院であった。通常分娩の場合、脊椎麻酔も一般的なので楽々出産も夢ではない。2〜4人部屋で文句が無ければタダで出産出来る。


外国人でも老人用施設に入所が可能。老後の生活やケベックへの移住などのタイトルで、フランス人向けフォーラムも盛んだ。それだけフランス人がケベックでの老後や、ケベック移住に興味を持っているし、実際移住する人も特に最近多くなっている。わが家の近所にもフランス人が家を建て始めている、そんな現象が多くなっている。今回も何人ものフランス人から「どうしてケベックからフランスへ?フランス人がケベックへ、と言うのなら分かるけど」と言われてその意味が分からなかったのだが、今となっては「なるほど」と納得。でもフォーラムの皆さんとお喋りしているとフランス各地からなので、やっぱりフランスに行きたくなるよ〜。

*1:例外あり