夫のこと

夫と私は父娘ぐらい年が離れている。
元々はカトリックの司祭を長年勤めた人なので性格はとても穏やかだ。
いや、司祭にもいろいろいるけどね。彼の性格が、と言った方がいいですな。
フランス系カナダ人、アイリッシュのクウォーターでもある。
先祖はフランス南西部のボルドー地方が発祥の地。
どういうわけか、ケベックよりもフランスの方が夫タイプの人が多い。
今回もフランスで何度も「あれ?」ってビックリすること度々だった。
これまたどういうわけか、エルサレムの郵便局で夫と瓜二つの人を見掛けたことがある。関係無いけど。
日本には23年間住んでいたので日本語はペラペラである。
電話で話すと日本人みたいですよ。それも敬語を主に使うし、かなり流暢なので、よく電話セールスと間違って切られそうになってたよ、日本で。最初に日本語を覚え始めた時から敬語で学習したそうで、そのため今でも私にさえも「です・ます」言葉を使う。時々ビックリするような難しい日本語も使う。そういう時は私はものすごく感動するし、その感動を彼に対して表現する。だってフランス語で同じことなんか私、出来ないもん。何がすごいって助詞をゼッタイに間違わない。どんなに日本語の上手な人でも、助詞だけはどうしても間違いやすい。そんな小さなミスさえ無いのである。ケベックに帰って来たばかりの頃は、ケベック人に対してもボンジュールと言いながらお辞儀の挨拶をしていて、相手は目を白黒させていたのが可笑しかった。「んだべ」とか「そだいっちゃ」なんていう東北弁も昔は使っていたが、今はだいぶ忘れたそうだ。司祭時代は篠ひろ子さん一家との行き来もあったらしい。篠さんの話はよく聞く。
日本は大好きだそうで、退職したら年に一度の母を連れての里帰りに一緒に来てほしいと言ってみたらとても喜んでいた。都内もぶんぶん運転出来るし、特に東北は詳しい。