名前

私は子供に名前を付ける時、奇異な名前は避けようと思った。
外国名を持っているのはケベック生まれの次男と長女。
それぞれ日本名も持っているが、どうしても外国名の方を頻繁に使う。
2人ともごくごく普通のありふれた名前「フレデリック」と「イザベル」だ。
日本でもそうだと思うが、名前を聞いただけでだいたいその人の年齢層が分かるという時があるでしょ?もちろん例外もあるが。
ケベックでも同様、例えば男性名ではアルフォンスとかモーリス、女性名だったらジョゼフィーヌ、ポリーヌなどは、若い人ではない、と判断される名前だ。
だから年齢層の幅のある無難な名前を子供たちに付けた。
フレデリック」も「イザベル」も赤ん坊から40代ぐらいまでと幅広く使われている。
他にも年齢を問わず幅広く使われる名前というと、男性名ではミッシェル、シモン、マルク、サミュエル、ガブリエル、ギヨームなど、女性名ではジュリ、アン、マリー、ドミニック、エレーヌ、キャロリーヌなど。
私は個人的に女性名デルフィーヌという名前が好きなのだが、ケベックでこの名前は老女のイメージが強いのだ。フランスではデルフィーヌという名前で素敵な女性が結構いたので、いずれ女の子が生まれたらデルフィーヌと名付けようと思っていたのだが。同じフランス語圏でもケベックとフランスでは名前の感覚もだいぶ違うようだ。
大好きなフランス映画『シベールの日曜日』のシベールもいいなと思っていたが、夫曰く、ギリシャ神話から生まれた名前で、フランスでは何百年も前に使われた名前でもあり、古くさい上に、非常に自惚れの強い人というイメージもあるということで仕方なく諦めた。
日本でも赤ちゃんに名前を付ける時、字画などに拘る習慣があるが、ケベックでも、やれラテン語ではこういう意味じゃないかとか、ギロチンの刑にあっている人の名前はよくないんじゃないかとか喧々囂々なかなか手間取るものである。