幽体脱離

過去ログに時々怖い話を書いていたのだが、ここのところご無沙汰していた。
回想記SAADIに書いたことから質問を頂いた。これは本当であって、ふざけて書いたものではない。
っていうか、私には自覚症状がないので知らないのだが、
親、友達、夫、恋人たちから今のところ5回目撃されている。
寝ている時に突然すうーっと上半身だけ起き上がるという現象は、30代の頃まで頻繁にあったが、今は殆ど無いみたいだ。このすうーっの現象もすごく不気味だそうで、目撃談によると、寝ている時に突然冷たい空気を顔の辺りに感じてふっと目が覚め、すると隣で寝ている私がすうーっと起き上がるんだそうな。
これは5回どころがもう何回も目撃されている。
時々顔を左右にゆっくり動かしたりすることもあるそうで、その時の表情などは誰も怖がって見たことが無いと言う。当たり前だよね、私だって見たくないよ、そんなの。
幽体脱離は、ロンドンで2回、パリで1回、日本で2回目撃されている。
目撃した人たちは、お互いに何の係わり合いも無い人同士で、霊感が強いというわけでもない。国籍もばらばら。
そのうちの4回は、一人の私が寝ていて、もう一人の私がベッドの回りを歩き回っているというパターン。
目撃した人は腰が抜けるほどビックリして、夢中になって私に話しかけるそうだが、どちらの私も何の反応も無く、その動き回っている方は絶え間なく、身体を動かしているそうで、座ったり立ったりを繰り返すこともあるらしい。暫くすると、悉くその動き回っている方が消えてしまうそうだ。
あとの1回は、まだ20代の時、六本木のクラブでのこと、男女取り混ぜて6、7人と談笑していた私が一人。
もう一人の私が化粧室入り口横の公衆電話の所にいた。これは2人の友達が目撃している。
似た人なんじゃないかと思ったが、2人して間違えるということもないし、その時私は母手作りのちょっと変わったデザインのセーターを着ていた。全くのオリジナルものを他人が着ているわけがない。
いつの間にこんな所にいるんだろうと思って、友達が私に呼び掛けたそうだが、電話台の方に向かって立っているだけで何の反応もなかったそうだ。
なんか事情があるんだろう、邪魔しちゃ悪いと、2人はそのまま席に戻ろうして、そのままそこで腰が抜けちゃったのだ。
だってそこに私がみんなといて談笑していたからだ。
それからが大変だった。みんなで大騒ぎになり、すぐに例の場所を見に行ったが、そこにもどこにも私に似た人らしき女性などいなかった。
今でもごくたまにだが、「あれ?この前、**にいたでしょう?」と訊かれる時があってドキッとすることはあるけど。
「**」なんて行ったことはおろか、近寄ったことさえも無いような場所ばかりである。
私の実家では、両親や兄弟が姿こそ見てないが、誰もいないはずの台所やかつての私の部屋などで、歩き回る音や戸棚やたんすなどを開ける音をしょっちゅう聞いていて、最初は相当怖かったそうだが、今やもうだいぶ慣れたそうである。
これは私がケベックで寝ている時間帯だけではなく、起きている時間帯にもあるようだ。
でも、それってほんとに私かな?
私の場合、特に緊張している時に起こる現象のようだ。
通勤バスの中や、ホテルのロビーの椅子などでも簡単に寝てしまうのだが、ああいう時にもどこかへ浮遊しているのだろうか?
・・・わからない。