いろいろ

活発な娘と内気な私

またまた今朝も−20度である。
小・中学校は23日まで、今朝も娘は雪だるまのような格好で出掛けた。
今日はそり持参での通学だ。
そりと言っても巨大なプラスチック下敷きみたいな、実に簡単なものではあるが、これがまたよく滑るのだ。
腹ばいになったり、サーフィンみたいに立ったままでもいい。
夕べも娘はなんとなく辺りが薄暗くなり始めた頃から友達の家に呼ばれ、だいぶ滑って遊んで来た。


私が子供の頃と娘はえらい違いである。
私ももちろん外遊びはしたが、娘ほど活発ではなかった。
担任教師と一日中一言も交わさずに帰宅することも度々だった。
「あのねえ、せんせ、せんせ!」なんて言って教師の袖を引っ張るなど、私には考えられないことだった。
朝の通学時に、後ろから教師に「おはよう」と声を掛けられ、しかも一緒に肩を並べて歩くなんて死ぬ思いだった。
体育の時間なんて学生時代はずっと拷問であった。
自分勝手にバドミントンでも卓球でもバレーボールでも選べるというのであればいいのだが、跳び箱や鉄棒はいまだに夢でうなされるほど大嫌いだった。


でもふと思うのだが、いまこうしていい年の大人になったからこそ、子供の頃を振り返って大人の目で見て、大人の頭で考えるから、やれ辛かっただの楽しくなかっただの言うのであって、実際子供の時分には結構エンジョイしていたのかもしれない。
放課後の校庭で日が暮れるまで友達と鉄棒をしている自分を思い出す。
人間の丸めた背中(人間跳び箱)を飛び越えるのは大好きだった。
5、6人(個)連続で飛び越すのは気持ちがよかった。
今でも子供ら相手にやってみようとするのだがきっぱりと拒絶される。
子供らもの下敷きになるのは避けたいのだろう。


こうして考えるとまあ人並みな子供だったのか。
算数も好きではなかったが、以前ある芸能人が
「(機関銃的早口で)今でもそうなんですけど、私って数字を見たり考えたりするだけで、もう頭ん中がしっちゃかめっちゃかになっちゃって、もう数字が頭ん中をグルグル回りだしてもうキャーッて状態になっちゃったんですう〜〜。だから大人になっても計算は出来ないの、私!」と興奮して話している姿を見て、「いくらなんでもこんな風ではなかったな」と、自分を振り返って変にホッとしたりする。
世の中いろんな人がいるものだ。
だから余程の事でない限り、自分のことを変わり者だとか頭が悪いんだなんて思っては駄目だ。
地球サイズで見たらほんとに大したことではないのだから。


モントリオール

先日モントリオールに行った際、地下鉄に乗ったのだが、至る所からまるでゾンビの如く物乞いが悪臭を漂わせながらゾロゾロを出て来るのが気味が悪かった。
地下鉄の切符売り場では一律料金の2ドル50セントが払えないと言って、地下鉄職員と言い合いになっている若者たちが私たちの前に並んでいた。
諦めて列から離れた彼らは、ごそごそと財布を出して切符を買う私たちをじっと見つめていた。
もちろんケベックでも物乞いは多いが、モントリオールのような都会の物乞いたちはスケールが違う、その汚さにおいても行動にしても数にしても。
まともな屋根の付いた家に住めるのだからありがたい。
自分の生活に不満たらたらの自分では罰当たりだ。
たかが地下鉄に乗るだけで人生哲学が語れるのはやはり欧米の地下鉄であろう。
日本の地下鉄はきれいだし、安全だし、人の流れに乗ってしまえばどうってことない。
モントリオールの地下鉄はどうしてああも汚らしいのか。
階段の手摺りもベタベタで触れない、車両もホームも悪戯書きだらけ、至る所から屎尿などの悪臭が漂う。
パリの地下鉄の方がまだマシかも。


それにしてもケベックから行った我々はまるでおのぼりさん状態であった。
絶えずキョロキョロしたり、つまずいたり、まあほんと、みっともなかった。
日本にいた頃は東京や横浜の地下鉄を何の迷いもなく乗り継いで歩いていた自分が信じられない。
通勤途中に人生とは?なんて考えている隙はなかった。
そんなことしていたら間違いなく突き飛ばされる。
でもあの慌しさが今となっては妙に懐かしい。


クレジットカード

これはつい最近の話ではないのだが、ここ2年ほど前からクレジットカードや小切手を受け付けない店が増えつつある。
銀行カードさえ使えない所もある。
「現金のみ受け付けます」の店がどんどん増えたらとても不便である。
カード会社の審査が甘い結果なのか?
そしてその現金であるが、一日に1000ドルまでしか下ろせない。
それ以上下ろす時は前以って銀行に伝えておかなければならない。
クレジットカードが使える場合は、分割払いにする人が殆どと、金融関係者から聞いたことがある。
そのために借金額が年間所得額を大きく上回るなど当たり前の世の中である。
クレジットカードや銀行カードの残高がマイナスになっているにもかかわらず使い続ける人が圧倒的に増えて、現在のような結果になったのだと、うちの銀行担当者が言っていた。


カナダ人はあまり貯金が得意ではないらしい。
厳冬のため、その期間は経済が全体的にスローになるが、それに合わせて休暇を取る人が多い。
その時に、どーんとお金を使ってキューバなど中南米に遊びに行く人で飛行機が込み合う。人生謳歌も結構だが、謳歌しすぎて上記のような現象が増えるのであればヘラヘラ笑って見過ごすことも出来なくなるだろう。


でもたまにはパーッとお金を使ってみたいものだ。
タヒチ辺りの熱い砂浜に寝そべってみたいなあ」
「やめな、トドと間違えられるよ」
「トドよりもカバ」
「カバが逆立ちしてバカになるの」
「怪獣」
可愛くない子供たちなんである。