ケベックへの道

今日は母とドライブ、最初にセンタンヌドボープレの教会で御参りをして来た。
ポツンと一人で御参りに来ている人が何人もいた。
いつもはガヤガヤと忙しなく観光で来るだけだったので、今日は嬉しかった。
自分の願い事を書く紙があって母と書き込んで箱に入れた。
ラクル像の元でもじっくりお祈りすることが出来た。
なにを思ったのか母が私をカトリック信者にしてよかったとしみじみと言っていた。


私が洗礼を受けたのは生後3ヶ月の時。
当時福島にはケベック人の神父が殆どで、ラローズ神父からの受洗に始まり、フォルジェ神父やピシェ神父の思い出ばかりだ。
母はラポルト神父から洗礼を受けた。
母は女の子が生まれたら桜の聖母に入れるのが夢だったそうで
私はこの世に生を受けてすぐに教育を受ける学校が決められたのだ。
この様な数々のことがすべてここケベックに繋がっていたのだと母は感慨深そうに言っていた。


マルグリット・ブルジョワはほんとに小さい頃から知っている。
日本語もろくに話せない頃から言えた名前だし、コングレガシオンドノートルダムのシスター方は私にとっては身内ほど近い存在でもある。
シスターマルクーからの英語教育が一番始めだったので、私の第2母国語は生涯モントリオールの英語である。
モントリオール英語は世界の中でも上流階級の英語と言われ『R』の発音がとても綺麗なので知られている。
桜の聖母で身に付けられた英語がそれである。


その後転校した清泉では、どういうわけか大変汚いウェールズ訛りの英語教師が教鞭を取っていて、そのあまりの英語教育のレベルの低さに呆れ果てた憶えがある。
ケベックに来て初めてブルジョワの博物館に行った時、私の人生がケベックと繋がっていたと思い知らされた。
ケベックで生活していると殆どがフランス語だが、時々英語を話すとこちらの人達から「カナダ生まれですか?」とか「モントリオール育ちですか?」とよく訊かれる。
やっと最近ケベックに来てほんとによかったと痛感する。
こう思うまでにはとても時間が掛かったがほんとによかった、ほんとに。