怖い話〈病院編〉

母が入院していた時に怖い出来事があった。
母と同室(4人部屋)だった青木さんと白井さんの話である。
青木さんのご主人も他の病院に入院していたそうだが、ある夜、午前2時過ぎ頃に白井さんが起きて病室内にあるトイレに入って出て来たところ、青木さんの足元に男の人(老人、背広姿)が立っていたので、
「えっ、こんな時間にそれもこの部屋に男性が?」
と不思議に思い、その男性の顔をまじまじ見ようとしたら忽然と消えたそうだ。
丁度その頃に青木さんのご主人が亡くなったそうである。
しかも、彼が最後に言い残した言葉が、
「家内を探しにアメリカまで行ってみたが(アメリカにお嬢さんがいるそうだ)どこにもいない。いったいどこに行ったんだ?」
青木さんのご主人は、奥さんが入院していることは伏せられていたので知らなかったそうだ。
それにしてはお見舞いにも来てくれないし、どうしたんだろうなあとご主人は思っていたであろう。
この事件と同時に母の病室のガラス窓がガタガタと3日間ほどうるさく鳴っていたそうだ。
今時のガラス窓だ、ガタガタなんてするわけがないのに。
入院中一日だけ外泊して夫の葬式に出席した青木さんはそれから間もなくして退院した。
そして、先日母は白井さんに会いたくて彼女の家を訪ねると、彼女がこの8月中旬に急死したことを知る。
「怖い話だったけど、でももしかしたら白井さんも半分は天国の人になっていたのかもね、青木さんのご主人を目撃した頃からね」と母は言った。
私は霊感があるわけではないが、今までに不思議なことが沢山あった。誰でも同様と思うが。
私が最初に結婚した男性は若くして亡くなったのだが、先日夢に出て来てある曲を聴いてほしいと私に訴えていた。
目が覚めてからたまたま持っていたCDを聞いてみてビックリ仰天!
まさに私が彼に問いかけていたその回答がその歌の歌詞にあったのである。