大停電

一昨日の夜に大嵐があって、電線被害があった。
そのため、最大八万七千世帯が停電し、停電時間も最長40時間を越えた所もあったそうだ。
最低気温が−10〜15℃だったので、室温がマイナスになってしまう家も多かったらしい。
うちのお向かいさんも、スキーウェアを着たまま寝袋に入って震えていたと言っていた。
とにかく、就寝中に手や顔を出すと猛烈に寒い。
室温は5度まで下がった。
暖炉を燃やしたら少しだけ室温が上がったけど、然程効果は感じられなかった。
照明はキャンドルを何本も点けた。苦手なアロマキャンドルがわが家では停電用だ。
娘の友達らの家では、湖の氷を割って運んで冷蔵庫に入れたり、暖炉の炎で肉を炙ったりしたらしい。
さすが開拓移民の子孫たちである。
私もケベックに来てから初めての記録的大停電であった。
「凍死」という言葉が頭を過ぎった恐怖の二晩だった。


電気が戻って先ず最初にやったことが、地下室に行って地下水を吸い上げるモーターを作動させること。
これをやらないと永遠に水は飲めないのだ。
温水タンクも中身がぬるま湯になってしまっているので、それを皿洗い機や洗濯などで使い切った。
トイレも流せないので、外から雪を運んで流した。
水道水にすれば水は停電になっても使えるんだけど、地下水の美味しさの魅力は捨て難い。


次には、手を洗って、歯を磨いた。
こんな時のためにアンチバクテリアのお手拭やジェルを常置している。
熱湯がタンクを満たすまで約20分。
それを待ってシャワーを使い、熱いお茶を淹れてから、やっと人心地が付いた。
そんな当たり前のことが嬉しく、有難かった。


この大嵐の夜に、ケベックは夏時間になった。
昨年からやたら早い設定の夏時間なんだよね。
だから、日本との時差は13時間になりました。


★後になってネットでニュースをチェックしていたら、実は避難所がケベック市内に5箇所も出来ていたらしい。
電気も通らず、こんな情報をどうやってキャッチすればいいんだろう。
今朝になって夫がカンカンに怒って地元の市役所に行ってみると、「寒ければどうぞ」程度の態度だったらしい。まあ、その後、間もなく電気が戻ったからいいようなもので。
ケベックの緊急事態体制が全く出来ていないことを実感した。大人はまだいいとして、赤ちゃんなどはあの寒さでは本当に危険だったと思う。選挙の時だけ必死になってうまいことを口から出任せ状態の揚句、当選すりゃぁ、後はどうでもいいんだよね、政治家たちって。