幼い口腔

フランスに行く前に、そして忙しいシーズンが終わったので、恒例の歯のチェックの時期到来である。お馴染みの歯科医院を訪ねた。有難いことに虫歯はゼロ。歯垢も殆ど無い。デンタルフロスの使い方や歯の磨き方が上手だと褒められた。
これは日本でもケベックでも、どの歯医者さんからも必ず言われることなのだが、私の口腔は平均よりもずっと小さいらしい。表面上は大きな口に見えるのだが、歯茎や喉の大きさなど口腔全体が幼児並みらしい。だからミディアム以上の固さの歯ブラシなんか使ったら、口の中が傷だらけになってしまう。大きな錠剤も上手に飲めずによく喉に痞えてしまう。歯ブラシは当然スーパーソフト、それも子供用を使うように歯医者さんたちからよく勧められる。この歳で歯ブラシの柄にウサギさんやクマちゃんの描かれたのを使う勇気も無いが。
小さい歯茎の割には歯が大きいので、歯の数も平均より少ない。それでも歯同士が押し合って時々歯痛の原因になる。「一本抜きなさい、そうすれば随分と場所が出来ると思うんだがなあ」あのペナペナの薄っぺらなゴム手袋をした歯科医ロベールの手が私の頬や歯茎に食い込んで痛い。そのうち涙が出てくる。そうでなくても歯が少ないのに、更にそこから一本、それも虫歯でも何でもない健康な歯を抜けとロベール医師は残酷な選択を迫って来る。
い、い、いやだ!!ゼッタイにいやだ!!・・・ノンノン人形になってやる!