青いみかん

(アップルさんのブログから昔を思い出して・・・)
まだ21歳の秋だった。
西日の当たる小さなアパート、埼玉県草加市だった。
お腹には長男がいて、毎日青いみかんを買って来ては貪るように食べていた。
畳の上に座って、ただひたすら食べていた、青いみかん。
食卓の上いっぱいに青いみかんを重ねておくのを見て夫が笑った。
その夫はもうこの世にいない。
あのやさしい笑顔を時々思い出す。
あの時の夫の年齢と、長男の年齢が、今年同じになった。
あの時のことを思い出すと涙が止まらない。
あまりにも若くて、あまりにも不憫で、あまりにも無垢で。
そして、夫の人生があんなにも短いものだなんて何も知らずにいたから。


そして今・・・その当時とはあまりにも違う生活。
今こうして手にしているものと言えば、フランス語、車の運転、3人の子供たち、ケベックでの生活、結婚生活、仕事、家や車などなど、・・・この幸せに感謝しよう。