オバチャンとヨロヨロ

日本のおもいっきりオバチャンたちが今ケベックにたくさん来ている。
トイレに入る時に、手荷物を持って誰かを探している。「荷物番、荷物番」と呟きながら。
そこに70代の男性がヨロヨロと現れると「あ、来た来た!」とオバチャンたち。
すると自分たちの手荷物をそのヨロヨロ男性に次から次と、ヨロヨロの両手や両肩や首に引っ掛けるではないか。ヨロヨロは当然動けなくなる。シャトーフロントナックの廊下にまるで案山子のようの佇んでいるのである。「あの・・・大丈夫ですか?」笑いを堪えてヨロヨロに尋ねると「えっ!?」と素っ頓狂な声を張り上げてビックリしたように私を見る。労わりの言葉などあまり通常掛けられていないのか、「はっ!?なんでしょう!?」なんて私の質問の意味が分からないようである。
私は静かにその場を離れた。