ケベック時間で

とにかく日本からのお客さんたち、特に年配の方々は、まるでいつも「早く早く」と誰かから、何かから急かされている様に見える。徒歩観光中にも何度注意しても現地係員よりも先へ先へ飛び出して歩いている。あれは大変危険なのです。注意するとすぐに気を悪くするから質(たち)が悪い。集合時間や集合場所も聞かずに動き出すのも度々である。そうやって人の話をよく聞こうとしないので、何度も同じ質問をして来るし、その質問も自分で何を訊いているのか分からなくなってしまっているような複雑不明慮な内容ばかりだし(このスタイルって日本の60代の皆さんの間で流行っているの?)、こうして見ると、やっぱりあれは老人ボケの一種だと感じる。「先程説明致しましたが」なんて言うと「あら、そんなこと説明されてないわよ、ちょっと」なんて言う人もいて、私も苦労が多いのである。「自分だけが正しい」と思い始めたら、やっぱりそれは間違い無く老人ボケだと思う。
人を突き飛ばし、押し退け、少しでも自分が人よりも先へ先へ行こうとする、そんな人が多い年代だと感じるな、60代って。団塊の世代って、だから嫌いだ。今の日本を駄目にしているのも殆ど彼らのせいだと私は思う。もちろん例外の、素晴らしい方も多いが、一般に今現在60代の人たちの扱いには苦労する。これはケベック社会でも同様。
ま、そんなことよりもとにかく、ケベックに来たらケベック時間で過ごしましょうよ。
昨日の観光中には、始終私から離れない女性客がいて参ってしまった。ピターッとくっ付いたままなのである。それも雨の中、お互い傘をさしているんですよ。口を開けばろくでもない質問ばかり。私たちは観光中だけのお付き合いだから何とか我慢出来るけど、添乗員さんは何日も同行するわけだからその苦労たるや想像を絶するものだと思う。添乗員さんからも相手にされなくて仕方なく現地係員に突っ掛かっているような、そんな哀れさも感じる。
愛される老人になりたいものだ。