MIS EN DEMEURE

仕事上のハラスメントは、人権損害、サイコロジック・ハラスメントなどの理由により、3箇所の行政裁判所から訴えを起こすことが出来る。断続的な嫌がらせ、その言動などから、損害賠償100万C$(約一億円)を要求すること出来るのだ。どの訴訟も警告書から始まるのが原則である。この警告は会社にではなく、特定の人物一名に対してである。
以前、仕事中に意味も無くドライバーに罵倒を浴びせた添乗員がいたのだが、ドライバーがその添乗員の顔を正面から指差して「注意しなければなりませんよ」と言ったが、これは「あなたを訴えますよ」という意味であることを伝えたら「ふん!訴えられるんだったら訴えてご覧なさいよ!」と開き直った。しかし実際に訴えられたら、ケベックまでの航空費一切合財掛かることになって大変なことになる、彼は冗談で言っているのではないことを伝えたら、彼女は顔面蒼白になったまま黙ってしまった。実際、最近になって日本からケベックへ出廷しなければならなかった人も実在したのだから。だから、冗談では済まされないのである。
そう、だから警告を甘く見てはならないのだ。人間の権利というものを甘く見てはならないのだ。もうすでに4人の裁判官にこの件について相談したのだが、全員が訴えるべきだとの同意見であった。労働上のハラスメント、それも「長」の付く人物からのハラスメントは罪が重いらしい。私たちに与えるストレスは相当なもので、私も何度ダウンしそうになったことか。これ以上ハラスメントが続くのであれば、いよいよ訴訟に踏み切ることになるだろう。裁判官たちも訴訟の段階になったら応援すると言ってくれているし、回りには頼りになる弁護士たちがいるので心強い。
娘のイザベルが夕べ私のところに来て、「カイシャはママンをいじめるの?」と突然訊いてきたので驚いた。彼女には何も話していないのに、私が一人で悩んだり、泣いたりしているのをひっそりと見ていて、小さな心を痛めていたようだ。「ノン、カイシャはジャンティ(親切)よ」と私は答えた。
もしその特定の人物一名が、今後静かにならなければ、いよいよ長年のリベンジを果たすことになる。