ケベックの不思議

  • ケベックに初めて来た時、周りのケベック人たちに『赤毛のアン』について尋ねると、なんとなんと!誰も知らないのだ!あまりにも驚いたので、思わずカウントしてしまった・・・ら、なんと73人目の人に訊いている時に、その周りにいた友達の中に「それってもしかして、もっともっと東部の孤児の話なんじゃないの?可哀想な・・・確か最後に殺されるじゃなかったっけ?」一瞬嬉しかったけど、すぐに、はああああ???殺されるぅ??アンが殺されてどうしてあんなに長い続編が出来るんでしょーーか。笑っちゃうね、こりゃ。
  • 今現在『嵐が丘』(92年版)のDVDを探している最中なのだが、これもケベック人には知られていない物語。エミリー・ブロンテさえ知らない人がなぁんと多いことよ!学歴差別しているわけじゃないけど、たまたま大卒者ばかりに訊いてみたのだが、誰も知らないこの現実。日本の国語教育は本当に素晴らしい!本棚をただ飾るだけ、なんて悪口ばかり云われていた「少年少女世界名作全集」の効力がいかに素晴らしいものだったのか、こうして今になって有難く思うのである。『若草物語』&『こがね虫』、『小公子』&『小公女』の抱き合わせとかポピュラーでしたよね。
  • ケベックの一流ホテル内で画廊を経営している家族が、誰一人としてクリムトを知らなかった。絵まで見せて反応を見たが「こんな暗い絵、知らない」・・・暗い・・・あの時は殺意が沸いたね、アタシ。もっと笑えるのがこの連中ったら、もう誰が見ても明らかな「ピカソ風」の絵を指して私に「これはピカソの作品だ」とのたまったので、「いや、違う」と一言、そしたら「どうして判るの?凄いねえ〜!驚いたねえ〜!」なんて家族諸手を挙げて感動しまくり!・・・あの皆々さんは、現在元気にしておられるのだろうか?どうやら、まだ画廊はあるようだが、人が入れ替わったようだ。まあ、尤もあんな程度の知識で画廊を経営していたこと自体、まさにまさに奇跡だったのだろうよ。